さわやかで過ごしやすいかと思いきや、寒暖の差が激しく体調を崩しがちな季節ですね。五月病も発症しやすいので、余計なストレスを溜めないでいいように、はたらくぞドットコムではみなさまの就活を応援していきます。
今回は、社会保険労務士視点からの働きやすい会社をご紹介します。まずはプロの目から見た良い会社のポイントを挙げてみます。

①実働労働時間
②正味時給
③社宅や住宅手当
④独自の健康保険制度の有無
⑤休日休暇の制度
⑥退職金制度の内容
⑦3年後離職率

さて、この中で特に注意して見ていただきたいのが、①〜③と⑦です。求人の「基本給」「勤務時間」「福利厚生」を書いてある通りに解釈すると、入社後に「こんなはずじゃなかった」「話が違う」ということになる訳です。
今から就職する学生ならあまり気にしないであろう④⑤⑥も、ケガや病気に備えたり、妊娠や出産に関わる重要な制度であったり、いずれ退職する時の大切な資金であったりと、見逃してはいけない大事な要素なのです。給与や休日ばかり見るのではなく、この7つのポイントはしっかりチェックして、真の意味を知っておきましょう。

 

実働労働時間と正味時給+住宅手当
599543ec04cef2dafa7a76b93e77e2ce_m
基本給が丸々手取りにはならないことは知っていても、自分が一体いくらもらえるか、正確にわかっていないことが多いと思います。①の実労働時間とは、求人票に書かれている「勤務時間」とは違います。計算方法は、
【1日の所定労働時間×(365-年間休日)】+年間残業時間数-(1日の所定労働時間×年間平均有給休暇所得日数)
となっていて、1日8時間労働、週休2日、平均残業20時間/月、有給5日消化したとすると、
【8×(365-105)】+(20×12)-(8×5)=2280時間
ということになります。
そして②の正味時給とは、
(基本給-固定残業代)÷月平均所定労働時間
となっており、基本給が30万となっていても、例えば40時間/月の残業代が固定残業代として7万円が基本給の中に含まれていることになります。年間実働日数が244日、所定労働時間が8時間だとしてこれを計算すると、
(300,000-70,000)÷244÷96≒981.8円
となります。基本給が30万あっても、時給が1000円以下なのですね。この正味時給の良し悪しは、固定残業代によるものが大きいので、しっかりと基本給の裏を読んでいきましょう。
そして、給与の中で大きな出費を占める住宅手当がどのくらいあるかで、生活水準が大きく変化します。家賃をほぼ自己負担するのと、格安の社宅に住むのでは給料を年間で数十万円多くもらっているのに匹敵する違いがあるのです。細かいこととバカにはできませんね。

 

3年後離職率をどう確認する?
5ce11dd3b788677be811ea0589b2b41b_m
新卒で入社した人のうち、3年以内に離職した人の割合を「3年後離職率」といいます。企業に人が定着するかどうかを測るもので、働きやすい会社ほど、3年後離職率が低いという指標になります。では、どのくらいを目安にするかというと、大卒以上の新卒者3年後離職率は30%と覚えておきましょう。
大卒以上の新入社員が3年後30%以上離職している会社は、よほどその会社に入社したいという強い意志がない限り、何か原因があるのかな?と思った方がよさそうです。
さて、では離職率をどう調べるかというと、「就職四季報」には“NA(No Answer)”となっている企業も多くあり、離職率がわからないことがあります。その場合は、「会社四季報」か「会社四季報 未上場版」を見てみましょう。それでもわからない時は、採用数と従業員数を見てください。事業拡大中や人員増加を図っているなど、採用が一時的に増える企業はありますが、通常であれば、採用数が従業員数の10〜20%あればかなり多いです。従業員数に対して採用数が多すぎる場合、3年後離職率が高い可能性があります。大量採用は就職しやすい反面、大量離職という面があることも忘れずに。

 

まとめ
いかがでしたか?プロの目から見ると、求人や会社情報の見方も変わりそうですね!より良い就活に活かしてくださいね!