新緑も目に眩しい季節になりましたね。そろそろ新入社員の「辞めたい」気持ちが芽生えてしまう時期でもあります。せっかく採用した若手社員が早々に会社を去ってしまわないためには、どうしたらいいのでしょうか?
働く環境の整え方を、3つのポイントから考察してみます。
まず、第一に企業側として気をつけたいことは「辞めない人物を採用する」ということです。目からウロコの逆論法に聞こえますが、定着率を上げるためには至極当然であり、大切なことなのです。
つまり、採用前にすでに定着率を上げるための秘策は始まっており、ここで人物を見誤ると離職率の高い会社となってしまうということです。売り手市場の今、規模拡大を目指す企業は特に、とにかく大量採用を目的にしてしまいがちですが、これではせっかく採用し、お金をかけて研修をしても、すぐに退職する若者が後を絶たなくなります。
しっかりと応募者の適性を見抜き、必要ならば何度も面談を重ねた上で、自社とのマッチングを第一に採用しましょう。インターンシップ制度を導入して事前に業務体験を行う企業も増えています。
職場環境、福利厚生の水準を確保する
若手社員は、学生時代の友人などちゃんと横の繋がりも持っています。つまり、他社と自分が就職した会社の職場環境を比較することができるのです。営業など職種によっては他社を訪れる機会も多く、自社と比べて先方が良さそうであれば、目移りもするというものです。
あまりにも給与や福利厚生が他社に劣っているようでは、他によほどの魅力がないとモチベーションが上がらないのも正直なところでしょう。
給与や職場環境、福利厚生が同業他社と同程度の水準を確保できるよう、企業として配慮する必要があります。
終身雇用が当たり前だった50代以上のワークスタイルと、現代の若者の人生における仕事という価値感がまったく違うことを念頭に置いてください。
もちろん、若者も仕事にやりがいや面白さは求めていますが、それよりも働く環境を重視する傾向にあるというのは、厳然たる事実です。実際に、厚生労働省の雇用動向調査結果によると、離職した主な理由は、「毎日遅くなる」「思ったより給与が少ない」「仕事が合わない」といったものが上位です。
このうち、「仕事が合わない」は前述したように採用前に防げますが、その他は働く環境を整えることでかなり改善できると思われます。給与、勤務時間の管理体制を重点的に見直してみましょう。
人間関係はどうすれば改善できるのか
上司が理不尽、チームに嫌な先輩がいる、パワハラやセクハラがあるなど、人間関係は職場において大きなウエイトを占めています。嫌な人がいると、毎日出社するのも億劫になり、そのうち「辞めたい」と思うようになります。
そうなると、モチベーションも下がり、それによって生産性や品質も落ちるといった悪循環に陥ってしまいます。
調査では給与が安いことは離職の原因として上位にありますが、しかしながら現代の若者は、給与を多くもらうことも目的としていないのです。では、何が必要かというと、「自分の成長」です。
“人間関係が悪い=自分が成長できない”という図式が見えてしまうと、離職を考えることに繋がってしまうのです。
若手社員の上昇志向をしっかり掴み、成長の場を設け、その実感を得てもらうことが必要です。ノルマや責任ばかりを押しつけるのではなく、人として成長し、ステップアップの道筋を作れるよう、組織として評価制度やチーム作りを改善してみましょう。
また、パワハラなどコンプライアンス違反を相談する窓口があると、安心して仕事に取り組むことができますね。
まとめ
安くはないお金をかけて、せっかく採用した新入社員が続々と辞めてしまわないためには、見直すべきことがいくつかあるようですね。採用で終わりではなく、その後人材を育てていく過程も大切なことです。定着率を上げるために、参考になさってくださいね!