転職する理由は人によってさまざまではありますが、転職に対するアンケート結果をみると、だいたい数種類ほどに大別されるようです。せっかく慣れた職場を離れるのですから、当任にとっては一大決心しての転職そして再就活となります。しかし、問題なのは再就職を希望する企業での面接の際、必ず転職理由を聞かれることです。

面接官も本当の理由をそのまま答えてくれるとは思っていないだけに、まさにホンネとタテマエの静かな闘いが繰り広げられます。そこで今回は、転職理由のホンネとタテマエについて論じてみましょう。

職場に対する不満での退職

転職理由のトップは、ダントツで職場に対する不満です。つまり、もう二度とあんな職場では働きたくない、というのがホンネですね。でもそんなことをストレートに答えると絶対に採用してはもらえないのは当然ですよね。

こういう場合は、「ぬるま湯の環境よりも、厳しくてもやりがいのある職場で精一杯働いてみたいと思いました」という答えが無難でしょうね。いかにも優等生的な答えではありますが、職場環境に対する不満をプラス思考で転職に結びつける表現といえます。

ブラック企業を辞めた場合

「仕事がハードな割には薄給」「残業が多く休みもとれない」などなど、いわゆるブラック企業的な職場が退職理由という人も最近は多いようです。「ブラック企業だから悪いのは会社の方だ!」というわけで、面接時に堂々と辞めた企業のブラックぶりをまくし立てる転職者がいますが、これは感心しません。

個人であれ企業であれ、悪口を並べ立てて訴えるのは聞く相手に不快感を与えるだけです。あえて言うとすれば「前職は有給もとれないほどとても忙しかっただけに、そこで培った経験とスキルを全く異なる環境で十分に生かしてみたいと思いました」という言い方をするのが賢明でしょうね。

職場の人間関係での転職

企業組織は人体と同じでそこで働く社員一人一人はまさに「細胞」です。細胞のひとつが暴走すると身体は病気になります。つまり、社員間の人間関係がうまくいかないと企業の発展は望めないわけですね。ところが「上司が嫌だから」「先輩にいじめられたから」という理由で転職する人も少なくありません。

人間関係で離職した人は、それが分かると「また同じことを繰り返すのでは?」と思われてしまいがちです。この場合は「前職は人との触れ合いが少なかったので、もっと多くの方々と触れ合って自己啓発したいと思いました」という言い方がいいかもしれません。