皆さん、方言はお好きですか?地元の方言を好きな人もいれば、他所の方言だからこそ魅力的という場合もありますよね!
今回は全国での好きな方言調査でダントツ1位に輝く「博多弁」の魅力に迫りたいと思います。さらに、すぐに博多弁が使えるよう、例文とともに解説していきます。
(参考:女子のかわいい方言ランキング♡1位の都道府県は2位の京都に4倍差…どこ?)
博多弁を好きな理由は?
全国の好きな方言調査では、2位に大差を付けて1位となる博多弁。
好きな理由をたずねると「博多弁はかわいい」という答えが多いのです。
博多人にとってはそんなつもりはなく、かわいく聞こえるのが不思議に思えますが他県の人にはどうしてそう聞こえるのでしょうか?
博多弁の特徴は、「〜しようと?」「〜しとうと?」という風に、疑問形の語尾のイントネーションが上がります。
標準語だとどちらも「〜してるの?」という意味になりますが、確かにニュアンスが違いますね。
日本語だけでなく、英語などの外国語でも疑問形は語尾があがるのが普通ですが、博多弁は最後に「と」がくることで、ソフトでかわいい感じに聞こえるようです。
「なんしようと?」(何してるの?)や、「どげんしたと?」(どうしたの?)などは、子どもを叱る時などにもよく使いますが、きつめに言われてもキュンと来るそうですよ!
語尾を制して今すぐ使おう!カンタン博多弁
語尾につける博多弁はいくつかあるので、ぜひ覚えて使ってみてください。
・〜ちゃん
「〜です」という意味ですが、語尾に使うと確かにかわいい響きになります。
(例文)
「○○さんってかわいいよね」→「○○さんってかわいいっちゃんね」
「美味しいですね」→「美味しいっちゃん」
「〜ちゃん」は、少し強調したいような時に使うと有効的です。
・〜と?
「とっとーと?」(取っていますか?)に代表されるように、「〜ですか?」という疑問形で語尾を上げます。かわいい博多弁の代表格ですね。
(例文)
「何をしてるの?」→「なんばしようと?」
「好きじゃないの?」→「すかんと?」
・〜もん
断定したい時に語尾につけます。「〜もん」を使うと、かなり強めの断定の意味になります。
(例文)
「好きになってもいいですよね!」→「好きになってもよかろうもん」
「こうすればいいじゃないですか!」→「こげんすればよかろうもん」
・〜げな
「〜らしい」という、伝聞推量の意味で使います。人から聞いたことを話す時や、噂話の時にはよく出てきます。
(例文)
「明日の天気は雨らしい」→「明日の天気は雨げな」
「今日は行かないそうだ」→「今日は行かんげな」
・〜か
形容詞の語尾を変えるだけで、カンタンに博多弁になる表現です。
(例文)
「すごい」→「すごか」
「速い」→「速か」
さらには、「すごかー」「速かー」という風に、語尾を伸ばすと感心したような表現になりますよ!
ちょっと上級、接続詞の博多弁
文章の途中に使う博多弁も、独特なものがあります。語尾はカンタンに変えられますが、接続詞で使うとなると、少し博多弁上級者になりますね!
・〜ばってん
有名な博多弁ですが、「〜だけど」という意味で使います。逆説的な言い回しの時に使いましょう。語尾も博多弁にすれば完璧です。
(例文)
「今は晴れているけど、午後から雨だよ」→「今は晴れとるばってん、午後からは雨ばい」
・〜ちゃけど
こちらも「〜だけど」という意味です。「ばってん」よりは軽いニュアンスになります。
(例文)
「明日はゴルフだけど、あんまり行きたくない」→「明日はゴルフっちゃけど、あんまり行きたくないっちゃんね」
・〜けん
語尾にも使いますが、接続詞で使う場合は「〜だから」という意味になります。ここでは順接的な流れで使います。「山笠があるけん博多たい」と言いますが、「山笠があるから博多だ!」という意味になります。
(例文)
「しっかり練習したから大丈夫!」→「しっかり練習したけん大丈夫」
「さっき充電したので今日は電池切れしないよ」→「さっき充電したけん、今日は電池切れせんよ」
男女で違う、博多弁の使い分け
日本語には男性が使う言葉と女性が使う言葉がありますね。同じように博多弁にも主に男性しか使わないというものがあります。
例えば、「〜しよったとじぇー」は、「〜していたんだぜ」という意味になり、男性の言葉です。これを女性が言うと、「〜しよったとよ」となります。
他には「〜しよったとや?」という風に、疑問形の最後に「や」を付けるのは男性言葉です。「〜していたのか?」という意味ですが、女性言葉では「〜しよったと?」となります。
やはり男性言葉の方が、少しきつめに聞こえますね。
注意が必要な博多弁
博多弁スピーカーは、標準語だと思っていたという人も多いほど、博多では一般的な言い回しがあります。しかし、それが実は危険な誤解を生む言葉だったりもするので注意しましょう。
「なおす」というのは、漢字を当てると「直す」や「治す」というものが浮かびますが、博多で「なおす」と言えば「しまう」「片付ける」という意味になります。
例えば職場で会議のために椅子を準備したとしましょう。
東京から来た先輩が椅子の脚が壊れていることに気づき、「これ直しといて」と言いました。それを聞いた博多の後輩は、「今並べたばかりなのになぁ?」と不思議に思いながらも、椅子を片付け始めました。
そして先輩が激怒することになるのです。
そう、先輩は「椅子の脚を修理しておいて」と言ったのに、博多の後輩は「椅子を片付けろ」と言われたと思ったのですね。
また、博多弁独特の言い回しとして、「今から来るけん」というのがあります。
これは博多弁では「私が今から行く」という意味で使うのですが、これを聞いた他県の人は「誰が来るのだろう?」と不思議に思うのです。
自分が「行く」のに「来る」を使うのは、博多の人にとってはまったく違和感がないのですが、実は博多独特の言い方なのですね。
狭い道で車が「離合する」というのも福岡独特の言い方で、標準語に「離合」という言い方はありません。福岡では電車の車内アナウンスでも「離合のため」と使っているので、標準語と思い込むのは仕方ないかもしれませんね。
博多弁には敬語もある
敬語は標準語にしかない訳ではありません。もちろん博多弁にも相手を敬う言葉があります。
「〜しんしゃった」(〜しなさった)、「〜しよんしゃー」(〜していらっしゃる)という風に、これも語尾を変えるだけで博多弁敬語にすることができます。
「先生がいらっしゃった」→「先生が来んしゃった」
「社長が車に乗っておられる」→「社長が車に乗っとんしゃー」
この他にも実は、博多の人が博多弁と気付かずに敬語として使っている言葉があります。それは、「○○ですね」というもの。
一見、標準語のように感じるのですが、「○○」に入る言葉が問題なのです。
例えば、「あのですね」「なるほどですね」というのは、他県の人が聞くとものすごく違和感を感じます。博多では敬語として使っているのでしょうが、ビジネスの場ではそぐわないこともあるので、博多弁話者は気をつけましょう。
まとめ
知れば知るほど面白い博多弁。人気の理由もわかりますね!福岡が地元の人も、「それは知らんかった!」といった方言や使い方があったのではないでしょうか?ぜひ皆さんも地元の方言ならではの言葉など改めて探ってみるのも面白いかもしれません。