今回は求職者に選ばれる企業になるためにはどうすればよいのかの記事です。
求職者が転職の際に企業を決めるポイントなどを踏まえて、優秀な人材に選ばれる企業になるために必要なことを考えていきましょう。
転職したい!その理由は?
転職をする場合は、まず何らかの理由で前の仕事を辞めるわけです。まずは、転職者がどのような理由で前職をやめたい、転職したいと思ったのかを知っておきましょう。
面接でも必ず、前の会社の退職理由を聞くとは思いますが、本音と建て前は違うもの。本音の部分もきちんと掴んでおくことが大切です。
「マイナビ転職」の調査によると、仕事をやめたい理由のランキングの1位は「給与、福利厚生に不満」でした。
しかし、企業としていきなり給料を上げたり、福利厚生を改善したりすることは難しいので、他の理由も見ながら総合的に選ばれる企業を目指しましょう。
【仕事を辞めたい理由ランキング】
1位 給与、福利厚生に不満
2位 職場の人間関係
3位 休日出勤や残業などの待遇
4位 やりがいを感じない
5位 会社の安定性や将来性が不安
6位 正当に評価されない
7位 経営理念、社風が自分に合わない
8位 職場環境が良くない
9位 希望した勤務地ではない
これらの辞めたい本音から導き出せるのは、まずは条件面での不満があること。そして、人間関係がうまく行っていないこと、入社前と入社後のイメージギャップという理由があげられます。
会社の将来性や安定性には、そこで働く人の熱意ややりがいも影響してきます。優秀な人材を確保するためにも、働く人がイキイキとやりがいを持って働ける職場環境作りには、力を注ぐ意義が大きいでしょう。
年代でも違う転職の理由
次に、年代別の会社に求めるものを見てみましょう。若い世代と中堅世代では、転職先を選ぶ際に見ているポイントが違うようです。
20〜30代前半までのアンケートの結果(参考:en)を見てみましょう。
【転職先を選ぶときに重視するポイント 20〜30代編】
※「重視する」と答えた人が多い順
- 勤務地
- 休日
- 仕事内容
- 事業内容
- 業界
- 給与、年収
- 社風
逆に、「重視する」と答えた人が少ないものは、
- 事業戦略
- 裁量の大きさ
- 評価制度
- 社会貢献度
- ビジョン
となっているので、この辺りに力を入れても若い世代にはあまり響かないということになります。
年代でこんなに違う?理想の働き方とは?
たった数年の差でそんなに違うことはないと思い込むと、求人ターゲットにまったく響かない求人となってしまいます。どの年代が欲しいのか、その年代は何を理想としているかを把握しておくことも重要な要素です。
では、20代と30代の理想の働き方を比較してみましょう。
【20代の理想の働き方】
1位 プライベート
2位 評価
3位 両立
4位 充実
5位 ワークライフバランス
【30代の理想の働き方】
1位 会社
2位 プライベート
3位 評価
4位 時間
5位 両立
※参考:en
20代のキーワードは、「プライベートと仕事の両立」と言えます。プライベートの方をより重視しているというより、仕事とプライベートをきっちり分けてメリハリのある働き方をしたいという希望が多いようです。
3位の「両立」には、結婚や子育てとの両立というキーワードも入ってきており、将来結婚や出産という変化が起こっても安心して働けるというポイントもあります。
また、若くてもきちんと評価してもらいたいと思っているので、具体的なモデルケースなどがあると良いでしょう。
30代では、会社を最重視する人が多いですが、かといってプライベートも大切にしています。仕事にやりがいを感じ、それがプライベートへの充実にも繋がるというのが30代のキーワードです。
求人をする際は、どの年齢層をターゲットにするかによって、求人の打ち出し方も変えていく必要があります。
そのためには、ターゲットの年齢層が何を求めているかきちんと知ることがポイントです。
男女でも違う転職の理由
転職の理由は、年代でも違いますが男女でも違います。男性と女性で、会社に求めること、転職で重視することが違うのは当然と言えば当然ですよね。
会社側としても、求人をする時にはどの部署にどのような人が必要かをよく吟味してから募集をするのですが、現在は性別を限定して募集をかけることはできません。
ですから、求人の書き方が非常に大きな影響力を持っているのです。
それでは、男女別の「入社の決め手」を見てみましょう。
【転職先の入社の決め手 男性編】
1位 勤務時間、休日 38.6%
2位 上司や同僚の魅力 20.3%
3位 服装、オフィス環境 7.3%
4位 育児可能な環境 4.1%
【転職先の入社の決め手 女性編】
1位 勤務時間、休日 62.3%
2位 上司や同僚の魅力 33.0%
3位 育児可能な環境 22.3%
4位 服装、オフィス環境 22.0%
※参考:リクルートエージェント
このように、順位だけ見ると男女あまり変化がないように思えますが、ポイントを見てみると、女性の1位2位は、男性に10ポイント以上の差があります。
つまり、女性の方がより勤務時間や休日、上司や同僚を重視する傾向にあると言えます。育児や服装についても、男性は10%を切っていますが、女性はいずれも20%以上となっており、重視度が高いのです。
男女でも求人のどこを見ているのかが違うので、求人を出す際には、ターゲットをよく絞り込んで吟味する必要があります。
人の魅力も大きな要素
転職者が就職活動で最初に会う会社の人は、人事担当者です。だからこそ、人事担当者は大きな決め手となり得ることも承知しておいてください。
しかしながら、入社後は別部署になることがほとんどで、魅力を感じた人事担当者と働くことはありません。そのために、会社へのイメージが違ってしまい「こんなはずではなかった」と思う転職者も少なくありません。
可能であれば、入社前に募集した部署の責任者や一緒に働く先輩などと話せる機会を設けましょう。入社後のイメージと、実際のギャップが少なくなり、早期の離職を防ぐことにも繋がります。
同時に大事なことは、今いる社員を魅力的な人材に育てるということです。現在働いている人が輝いているなら、「その会社がよい会社である」と判断する材料になります。
結局は、よい求人ができるためには、よい人材を育てることが早道といえるかもしれません。すぐにできることではありませんが、少しずつ人を育てていくことで、求職者に選ばれる、魅力的な企業に育っていくことでしょう。
まとめ
これまで見てきたアンケート結果でもわかるように、一緒に働く上司や同僚、社風、人間関係というものは、転職したいと思う大きな理由でもあり、入社を決めるポイントともなります。
つまりは、退職の理由は、次の転職先を決める時によく見るポイントであるということですね。そして、面接で言う退職の理由は必ずしも本音ではありませんので、市場調査と分析は正確かつ緻密におこないましょう。
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