就職活動をしていて、うれしい瞬間は内定をもらった時ではないでしょうか?でも、うれしいはずの内定も悩みの種になることがあります。
内定を待ってもらうことはできるのか、内定を保留したい本当の理由は何なのかをしっかり自分の中で問うことで、答えが見えてきます。
今回は、内定保留についてと、失礼のない適切な内定保留の仕方を、電話やメールの例文とともに紹介していきます。
内定って待ってもらえるの?
通常、就活は複数の企業を受けるものですよね。応募先の会社から内定通知がくると「内定承諾書」を提出しなければなりません。
一般的にその期間は1週間程度ですが、この間に内定が出た会社への就職を決められない場合は、内定を待ってもらいたいという状態になります。
そもそも、内定は待ってもらえるのでしょうか?
内定は待ってもらえます。ただし、会社側もいつまでも待つ訳にはいきませんので、相手に迷惑をかけず、かつ失礼のないように内定を保留するにはどうしたらいいのかを考えていきましょう。
内定を保留したい本当の理由
本来ならうれしいはずの内定ですが、新卒での就活や複数の企業を同時期に受けている場合などは、内定を待ってほしいという困ったことも起こってしまいます。
しかしながら、就職は一生を左右する大切なことですから、「内定が出ちゃったからとりあえずここに決めよう」という安易な決め方では後悔することになりかねません。
まずは内定を保留したい本当の理由を、じっくり掘り下げて考えてみましょう。
①第一志望の面接や内定がまだ出ていない
内定を待ってもらいたい一番多い理由は、その企業が第一志望ではない場合でしょう。つまり、本当に受けたい企業の面接がまだだったり、選考結果がまだ出ていなかったりする場合です。
受験でいえば、滑り止めに受かったけど本命の合否がまだわからないといったところでしょうか。
内定保留することを恐れ、第一志望の結果待ちなのに内定承諾書を出してしまったら、第一志望から内定が出た時に結局断ることになってしまいます。
企業としては内定承諾したのに後から辞退される方が困ります。とりあえず内定承諾するのではなく、保留という方法があることを知り、失礼のないよう相手にその意思を伝えることが大切です。
②複数の内定が出て迷っている
いくつかの内定をもらっていて、どちらの企業も一長一短あって選べず迷っていると、期限内に内定承諾を提出するのが難しいことも。
一生のことですから迷うのは当然で、焦って決めるよりも内定保留をしてじっくり考えた方が、ミスマッチを防ぐことにもなります。
③内定承諾がなんとなく不安
幸せなはずの結婚を前にマリッジブルーになってしまうことがあるように、内定がきたのになんとなく不安を感じる人は少なくありません。たとえそれが第一志望の企業だったとしても、漠然と「本当にいいのか?」と悩む人もいます。
不安なまま内定承諾するよりも、期限を延ばしてもらって考えることで不安の源が見えてくるかもしれません。自分と向き合い、しっかり答えを探すことで本当にやりたい仕事が見えてくることもあります。
内定保留のリスク
不本意であったり、不安を感じたりしているのに、慌てて内定承諾書を提出するのはリスクがあります。かといって、内定保留することにリスクがない訳ではありません。
どちらを選択すればよいのかしっかり考えるためにも、内定保留のリスクも知っておきましょう。
内定を保留する最大のリスクは「入社意欲が低い」と思われることです。「保留=第一志望ではない、本当に入社したい訳ではない」と受け取られてしまうのは、将来入社後にもつきまとうマイナスイメージ。
さらには、内定を待ってもらうことで「内定を取り消されてしまうのでは?」という不安も出てきます。実際、内定を保留したことで「オワハラ」に合うリスクもあるようです。
ちなみに、オワハラとは「就活終われ」と迫るハラスメントのこと。内定通知後の就活をやめるように圧力をかけたり、もう入社の手続きをしているなどと、断れないように追い込んだりすることです。
内定は入社ではないので、法的な拘束力は何もありません。もしオワハラめいたことを言われても、その場で承諾しないように注意しましょう。
内定保留は電話とメールで伝えよう
内定通知がきたら、いずれにしてもすぐにアクションを起こすことが大切です。内定承諾書を提出する場合でも、内定を待ってもらいたい場合でも、できる限り早く相手先に連絡しましょう。
保留したい場合は、電話とメールの両方で連絡するのがマナーです。メールは送りっぱなしにすると先方が読んでくれたのか返事がくるまで確認のしようがありません。またいきなり電話も緊張するので、最初にメールで電話をかけるアポイントを取る方法がおすすめです。
連絡を取る前に、今一度「どうして内定を保留したいのか」をよく考え、理由を明確にきちんと言えるよう整理しておくことが大切です。
3つのポイントに注意して伝える内容をまとめましょう。
- 相手先への入社意欲があること
- 内定を保留したい明確な理由があること
- 保留期間をきちんと決めること
内定保留は、どうしても相手からの心証を悪くしてしまいがちなので、できる限り心証を損なわないためにもよくシミュレーションしてください。
内定保留の電話・メールの例
それでは、具体的な電話とメールの例文を見てみましょう。相手にとって良い報告でないこと、言いにくいことこそ、真摯に向き合い丁寧に伝える気持ちが大切です。
【内定保留のメール例】
株式会社○○
人事部 ○○様
お世話になっております。
先日内定のご連絡をいただきました○○です。
この度、内定のお返事の期限につきましてご相談させたいただきたく、ご連絡差し上げました。
つきましてはお電話にてお話をさせていただきたいと思いますので、
○○様のご都合のよいお時間を教えていただけますでしょうか。
何卒、よろしくお願いいたします。
名前○○○○
メールに時間指定の返事がきたら、指定された日時に電話をしましょう。
【内定保留の電話例】
お世話になっております。
御社から内定をいただきました○○と申します。
先日はメールで失礼いたしました。
御社から評価いただき、とても嬉しくすぐにお返事を差し上げたいのですが、他に選考中の企業が残っておりまして、その選考結果が○日後に出る予定です。
御社への入社意欲は変わらずに持っておりますが、しっかり納得したうえで後悔のないようにしたいと思っております。
大変恐縮ではございますが、○月○日まで返事をお待ちいただけますでしょうか?
相手より承諾の返事がもらえたら、お礼をしっかり伝えましょう。とにかく誠心誠意、感謝の気持ちを伝えることです。
内定保留後の承諾・辞退の仕方
相手先に内定の返事を待ってもらっているので、承諾にしろ辞退にしろ、決まったら迅速に連絡するのが鉄則です。企業は内定保留の間、次の候補者をどうするのか待っています。そして、自分の答えいかんではその候補者たちのその後も左右するということも忘れずに。
内定を承諾する場合は、内定保留を承諾してくれたことのお礼を述べてください。待っていただいたおかげで、よい選択ができたことをしっかり伝えましょう。
内定辞退する場合でも、きちんと連絡を入れてください。内定保留のお願いをした時に、どのような理由を伝えたかを思い出し、齟齬のないよう辞退の理由を伝えるのも大切です。決して連絡なしに辞退することのないようにしてくださいね。
まとめ
内定を待ってもらうとは贅沢な悩みとも言えますが、ここで慌てて答えを出すと「こんなはずじゃなかった」というミスマッチが起こります。応募する時と同様に、内定が出た時も「なぜこの企業で仕事がしたいのか?」をしっかり考えてみましょう。
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