福岡県とは

福岡県は、九州最大の人口を有し、全国的に見てもサービス業への従事者が多い県です。その中でも福岡市は、飲食・販売・接客スタッフの求人数が多いのが特徴です。また、福岡本社の企業や、福岡に拠点を置く全国の企業も多く、営業はもちろん、事務などのオフィス系、デザイナーなどのクリエイティブ系、SEなどのIT系の採用も盛んです。

福岡第2の都市北九州市は、賑やかな繁華街を持ち、福岡市同様、サービス業が盛んです。その他、古くから工業都市として知られ、大手メーカーの本社や工場が多く、近年、自動車生産も盛んな福岡市近郊と共に、工場勤務の職種も増えています。県南に位置する久留米市は、タイヤメーカーの創業地として知られ、ゴム製品の製造が盛んです。また、大牟田市では、化学工業や環境リサイクル関連の工場が進出し、地域資源を生かした産業振興に力を入れています。福岡は、様々な産業の職種で働くチャンスがある、九州最大の都市です。

歴史から見た福岡

福岡県は地理的に大陸に近いために古くから中国や韓国との交流が頻繁に行われていました。中国の歴史書『三国志』の中に「魏書」第30巻烏丸鮮卑東夷伝倭人条があり、略称「魏志倭人伝」といい倭の記載があります。

その書には、当時の倭(後の日本)に女王「卑弥呼」の都する邪馬台国を中心とした国が存在したと、邪馬台国が存在したことが記されており、その場所が歴史家の論争になっていますが福岡がその有力な比定地とされています。

また福岡は大陸に近いことから、朝鮮半島との交流が盛んで朝鮮に向けて行った663年(天智2年)朝鮮半島の白村江で行われた戦争にも福岡の港から大挙して渡っています。

また、鎌倉時代には博多湾などの各地にモンゴル帝国による蒙古襲来《文永の役、弘安の役》があり、その戦跡や防塁跡など今でも残っています。

戦国時代は官兵衛で有名な黒田如水の嫡男の黒田長政が藩祖であることも有名ですが、その福岡という地名は、黒田家の出身地である岡山県の福岡という地名からとったといわれています。

福岡市への人口流入は全国トップクラス

現在の福岡市は、全国的に突出して人口流入が加速している都市でもあります。(福岡市の人口:1,528,574人 世帯数 :764,346世帯 /2015年6月1日現在)人口移動報告に基づき全国の21大都市の転出入状況をみても、首都圏6都市、大阪市、名古屋市への人口移動は、流入ペースが鈍化しているが、対照的に地方大都市の転入超過数は過去最高を記録しています。

中でも福岡市は、若年層を受け入れる企業やサービス産業が多いため、九州や中四国から移り住んでくる人々が多く、また首都圏等から地方都市の福岡へと、故郷への近さと生活の便利さの両者を求めて、就職や転職で流入してくる人々も結構多いのです。また、その求職者を受け入れる求人企業も活発に活動しています。

人口移動報告によると、都市別にみると転入超過数のトップ3は東京23区、札幌市、福岡市となっています。この札幌と福岡では、転入者の年齢構成がまったく対照的なのです。札幌市は、高齢者の転入が多いのですが、福岡市は、若年世代の特に10代20代の転入が多いことです。また、すべての年齢層で転入超が続くのが福岡市の特徴ですが、学生の男子は就職で東京や大阪に転出する割合が多く、女子は地元や福岡での就職が殆どです。女性が就職や転職・アルバイトやパートができる商業施設や拠点都市特有の大手企業の支店があることも就職するのに便利な側面も見逃せません。

九州最大の商業都市でもある福岡市内には、学生数1万人を超える大学が複数あり、また専門学校や予備校なども多いのが特徴です。

コールセンターやゲームソフト開発など若者中心の職場も多く、また10代、20代の学生アルバイト需要を賄える求人企業や求人店舗も多くあることから転入者が絶えない要因でもあります。

「国家戦略特区」に指定された福岡

もう一つの福岡市の特徴は、サービス産業が圧倒的に多いことで、介護施設や医療施設、商業サービス施設や娯楽施設などのサービス産業が充実している点です。また中国や韓国や台湾含む東アジア及び東南アジアからの観光の玄関口であることでもあり、海外からの観光客の流入に伴い、中国人の爆買いに代表されるようにここ数年の外国人の購入額の上昇は目を見張るものがあります。そういうことから福岡市内の総生産に占める第三次産業の比率は90%前後と都市のなかでも突出して高いといえます。

その外国人客目当てに店舗での接客対応の人材として、中国人や韓国人の求人需要が多くため、在日外国人や留学生向けの求人が活発なのも福岡の特徴です。また近郊の北九州市や久留米市などの郊外のサービス業や工場などにも求人の需要が波及しています。

また福岡市は、九州新幹線の開通により博多から鹿児島まで約1時間という近さから、飛躍的に観光やショッピングに訪れる人の流入が増えました。その需要を賄う人材もまた熊本や鹿児島・沖縄など九州各県に供給地を抱えていることも地理的な特徴といえます。

このサービス産業や製造業は多くの人材が必要で、これを九州全域や中国・四国の労働供給力が支えていますが、典型的に商業施設や医療や介護にみられるように、人口の集中は産業の効率的な経営を可能にしますが、その基盤になる人材の流動化こそが重要で、企業と人材を結ぶ人材確保のための求人活動や就職や転職活動も頻繁に行われています。

また福岡市は、人口集積のメリットを活かして、経済の発展を進めており、なかでも全国的に6箇所しか指定されていない特区(国家戦略特区)に指定されました。この国家戦略特区については福岡市のホームページを引用して説明します。

人口移動報告国家戦略特区とは、経済活性化のために、地域限定で規制や税制を改革し、その効果を調べるために指定される特別区域のことです。

この国家戦略特区には、福岡市を含め6地域が指定され、福岡市では「グローバル創業・雇用創出特区」として、創業の支援と雇用の創出に取り組みます。

これまでの「特区」は,地方が提案し,国が認定するボトムアップ方式でしたが、今回の国家戦略特区は、国が主導して特区のテーマや地域を決定するので、より大胆な規制や税制の改革が期待できます。《福岡市ホームページより》

この「グローバル創業・雇用創出特区」は、新たな企業の創業支援とその創業に伴う人材雇用を創出しようとの目論見であり、新たな産業が新たな雇用を生み出すとのことから、人材の交流と人材の育成が柱です。

このような特区指定をテコに福岡市では、地方都市経済の牽引的役割を担うべく、企業の誘致やベンチャー企業の育成に優遇税制や融資制度を活用してさらなる飛躍を目指そうとしています。