新型コロナウイルスの影響で、世界中が変化を求められています。
学生の就職活動においてもオンライン化し、面接までZoomなどWeb会議ツールを使ったものに。
来年度の就活生はインターンが実施できないという事態にもなっています。

このような中で、今話題になっているのが『ブロックチェーン』技術を就活に活用するプロジェクトがスタートしたことです。新時代の就活は、どのように変化していくのでしょうか。
今回は「ブロックチェーン」や進化する就活、海外での就活事情について紹介していきます。

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ブロックチェーンって何?

さて、大学や企業で実証実験が行われるプロジェクトに活用される「ブロックチェーン」とは、一体どのようなものでしょうか?

ビットコインとブロックチェーン

そもそも「ブロックチェーン」とはビットコインという仮想通貨において使われている技術です。ビットコインはお金と同等のものでありながら、中央で管理する機関がない通貨。管理者が存在しないのに、2008年に誕生してから今まで一度もシステムダウンしたことがないと言います。

このビットコインが正しく機能するのを、ブロックチェーン技術が支えているのです。

ブロックチェーンとは「台帳」のようなもので、取引データが記録されています。
しかも生まれてからずっと。

通常のお金でいえば「銀行通帳」を想像してみるといいでしょう。ただし個人の通帳は、使う人しか見られないですよね?それを誰でも使える台帳にしたのがブロックチェーンなのです。

さらに詳しく述べると、1つの台帳に一定期間の取引が記録され(ブロック)それぞれのブロックが鎖(チェーン)で繋がれている状態が、ブロックチェーンのイメージ。インターネットに繋がっており、アカウントが発行されれば誰でも使えるシステムなのです。

そしてネットワーク参加者によって支えあっているので、1カ所が壊れてもシステム自体は壊れないというメリットも。ネットワークの参加者みんなで取引を見ているので、正しい情報が途中で書き換えられることなく構築され、誰もが安心して取引できるというシステムがブロックチェーンなのですね。

就活におけるブロックチェーンとは?

「誰もが見られる台帳」がブロックチェーンだとすると、この技術を就活にどう活用するのでしょうか?

それは学生が自分の個人情報や成績、学生時代の活動をすべて「ログ」として残し、企業が閲覧できるようにするということ。この個人情報には、学校からの評価だけでなく、先輩や友人からの評価や授業での活動までもログに残されます。

学生にとってはなんだか見張られているようで居心地が悪くなりそうですが、情報をどこまで開示するか、どのくらいの期間開示しておくかは学生自身が選択できます。つまり、情報保護の意味合いも兼ね備えているのです。

直接の面接が難しくなっている昨今、企業側からすれば良い人材をどう見つけるかは大きな課題です。ブロックチェーンによって、就活生本人から得にくい他者からの評価や授業態度がわかることで、よりよいマッチングが行えるというメリットは大いに期待できそうですね。

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欧米や中国での就活事情

新学期が9月の欧米や中国では、日本の就活と時期が違うだけでなく、学生が成績以外に企業へ向けて提示する内容も違うようです。欧米で主流なのは「ポートフォリオ」の作成。

ポートフォリオとは作品集のことと思われがちですが、ここで言うポートフォリオは、学生時代の成績や活動を企業へ提示するためにまとめたもののこと。

日本ではデザイナーなどクリエイティブな業界でポートフォリオの提出が求められることはあっても、一般の学生がポートフォリオを作ることはほとんどありません。

欧米で言うポートフォリオのような学生時代の活動のデータ化がブロックチェーンによって可能になれば、インターンやダイレクトな面接が行えなくてもスムーズかつ的確な就活に繋がるのではないかと注目されているのです。

我が国ではブロックチェーン就活活用プロジェクトがスタート

このように、「企業」・「学生」双方にメリットがあるブロックチェーン。
日本では就活サイトでエントリーシートを作ることが主流でしたが、ブロックチェーンを用いることでどのようになるのか、大学や企業での実証実験がスタートしています。

実証実験の目的は以下の通りです。

  • 学生の個人情報提供における安全性と透明性の確保
  • 学生と企業双方を利する個人情報活用戦略の研究
  • 学生と企業のマッチング精度向上

これによって学生が自分の情報を「どこに」「いつまで」「どれだけ」開示するかを、学生自身が自由にかつ安全に管理できるようにすることが最大のテーマとなります。

活動のログ化と言われると、すべて筒抜けになるのでは?という不安がありますが、コントロールは学生自身が行えるという点が重要なのですね。

そしてブロックチェーンの1番のメリットは、エントリーシートが必要なくなること。
エントリーシートが不要になれば、特定の就活サイトから情報が漏洩することもありませんし、情報を分散して保管できるのでデータ追跡や情報の保護ができるようになります。

実証実験ではまず5,000人の学生が情報入力をスタートし、大手企業なども参加します。学生は今までのようにエントリーシート作りに時間を取られることなく、授業に専念することで活動ログが残り、それが企業に適性として見分ける材料となるというのですね。

企業側も求める人物像とのマッチングが行いやすくなり、面接を何度も繰り返すなど採用活動の負担が軽くなると予測されます。

実証研究期間は3年間。まずは学生の個人情報を守りながら企業がデータを有効に活用できるようにしていきます。2年目には授業でした質問やゼミの活動、学内サークル活動、さらに学外での学習やアルバイトなどの活動履歴を追加入力して、学生からの情報発信力を高められるようにします。

3年目には学生約2万人がブロックチェーンの利用をするとして、徐々に規模を拡大しながら性能を改善していくということです。学生にも企業にもメリットの大きなブロックチェーン技術の活用は、新しい時代の就活になっていくのでしょう。

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まとめ

昭和から平成、平成から令和へと移りゆく時代の中で、コロナ禍という大きな変革の波がやってきました。私たちは日々の生活にも大きな変化がありましたが、就活にも新しい時代がやってくるようです。

先ほども述べたように、ブロックチェーンの活用によって今後はエントリーシートが廃止となり、学生は本来の学業に力を入れることでよりよい就活に繋がることが可能になってくるでしょう。

はたらくぞドットコムでは、今後も就活、採用事情に関しての情報発信を行っていきます。