「働き方改革」という言葉はコロナウイルスの影響もあり、かなり浸透してきましたね。その一貫として、政府が推進したのが副業です。
副業はなんとなく「してはいけないもの」と思っている人が多いものですが「副業を政府が推進?」と不思議に感じた人もいるのでは?
2018年、政府が「副業元年」としてビジネスパーソンの副業や兼業を勧めたのは何故でしょうか?
一方で約70%もの企業が副業を禁止しているのはどうしてでしょう?
今回は、さまざまな視点から「副業」について考察していきましょう。
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なぜサラリーマンの副業を禁止する企業が多いの?
まずは企業が社員の副業を禁止する理由を見ていきましょう。
主な理由は4つあります。
禁止理由1.本業に支障をきたす
就業時間以外であれば、本来何をしても自由です。しかしながら、副業として終業後に長い時間働くと、疲れたり睡眠不足になったり、さらには身体を壊すことも考えられます。
そうなると本業に支障をきたしてしまうため、副業を認めていないのですね。
裏を返せば、社員の健康第一と考えているとも言えます。
禁止理由2.情報漏洩
2つ目は自社の情報が外部に漏れるリスクがあるためです。副業をしている本人にそのつもりがなくても、情報漏洩の危険性は常にあると考えられます。
特に本業と同じ業界、業種なら内部の情報だけでなく、顧客データや技術、ノウハウまで流出してしまうリスクも。これを防ぐために副業を禁止する企業が多いのですね。
禁止理由3.人材の流出
本業以外に仕事を持ち、そちらの方の収入が多くなったという人もいるでしょう。
より副業に力を入れたい、専念したいと思うようになり、本業の方を辞めてしまうということにもなりかねません。優秀な人材が流出してしまうのは、企業にとってかなり大きな痛手。そのために副業を禁止しています。
禁止理由4.企業のイメージダウン
例えば社員が法律に触れるような副業をして、逮捕されるような事態になれば、その雇用主である本業の企業も大きなダメージを受けてしまいます。
企業は顧客と信頼関係で結ばれているので、自社ブランドのイメージや信頼を失墜させる可能性があるものは極力避けたいのです。
副業に定義ってあるの?法律上は禁止じゃないってホント?
副業といっても色々ありますよね。どんなものが副業にあたるのか、また法律上の副業はどのようになっているのか見てみましょう。
副業の定義
そもそも副業に「こういうもの」という定義はありません。
ですが、一般的な意味として“本業以外で収入を得ているもの”ということですね。
しかしながら、身の回りの不要品をインターネットで売ったり、手芸などの作品を売ったりすることも副業に入るのでしょうか?
収入の額にもよりますが、普通はこれを副業として咎められることはないでしょう。また株やFXなどの投資や不動産収入などは、就業規則に抵触する可能性は少ないと思われます。
ただし会社の就業規則で「副業禁止」となっている場合は、契約違反となる可能性があることは忘れずに。場合によっては懲戒処分という重い処分を受けることもあるので、十分に注意してください。
法律上の副業とは?
法律用語としての副業はありません。また本業以外に収入を得てはいけないという規則もないため、副業は法律違反にはなりません。
一方で会社の就業規則は、雇用側と労働者の契約。
ですから企業は就業規則によって副業を禁止することが可能です。就業規則で副業が禁止されているのなら、副業をすれば契約違反となり何らかの処分を受ける可能性があるということです。
前の項で述べたような収入であれば副業とみなされないこともありますが、積極的に行うのは歓迎されないでしょう。また、いかなる場合でも公務員の副業は法律で禁止されています。
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なぜ今、副業が促進されているの?
政府が副業を積極的に推進している1番の理由は、経済を活性化させることが目的です。
副業をすると、優秀な人材が複数箇所で実力を発揮でき、その人のスキルを他でも活用できます。副業をする個人にも、自社だけでは得られないスキルを副業から得て、キャリアや収入がアップします。
また副業をきっかけに起業する人が増えることも期待されています。
さらには今後減少することが予測される労働人口を、副業によってシェアすることができるとも考えられています。国の思惑と企業の本音の間に、さまざまな矛盾が見え隠れしますが、現在副業を推進している背景にはこのような理由があるようですね。
副業したい人にとってはチャンスですから、今一度会社の就業規則を見直してみましょう。
企業にとって副業容認のメリット・デメリット
企業にとって副業を認めると、メリットもありますがデメリットも少なくありません。
リスクをよく知った上で就業規則に盛り込むべき内容を検討してみましょう。
副業容認のメリット
少子高齢化によって労働人口がどんどん減る中、企業は人手不足に陥ることになります。副業で労働力をシェアすれば、人材不足解消につながるというメリットがあります。
また本業だけでは得られないスキルを、他社で働くことで得られ、それを本業で活かせるというメリットも。
社員にとっても選択の幅が広がり、キャリアや収入だけでなく、社会的な貢献や地域への貢献といった、広い意味での目的を持てるのではないかと期待されています。働くことへのモチベーションが上がれば、企業にとっても大きなメリットですよね。
副業容認のデメリット
一方で社員が副業することの1番のデメリットは、他社に引き抜かれてしまうことでしょう。貴重な人材を失うのは、企業にとって大打撃です。
また、副業による過重労働で健康を損なうことも、労働力を失うことになるデメリットです。
さらに「なぜサラリーマンの副業を禁止する企業が多いの?」の項目でも述べた情報漏洩や企業イメージのデメリットもあります。
企業にとってはデメリットが大きいように見えますが、働く側にとっても他社にとっても“お互い様”の部分が多いため、うまくバランスをとる必要があるようですね。
サラリーマンが副業する上で守るべきルール
副業をしようと思ったら、まず勤務先の就業規則を確認しましょう。
副業が禁止されていれば基本的に副業は行わないのがルールです。また認められていても、会社に申請することが大切。副業のルールが細かく決められている場合もあるので、しっかり確認してください。
もうひとつ大切なルールは、本業と競合になるような副業をしないということです。
同業他社での副業や独立行為は、本業である企業の利益を侵害してしまいます。
たとえ副業を認めている企業であっても、懲戒解雇などの重い処分や損害賠償を請求されることもあるので、注意してください。
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まとめ
副業とは定義があいまいなだけに、難しいものがありますね。本業とのバランスを上手にとって、隠したりウソを言ったりする必要のない副業を、ルールを守って行いましょう。