部下や同僚、戦力になりそうな若手が突然退職すると聞いて、驚いたことはありませんか?突然のように見えても、彼らには何らかの兆候があったはずです。大切な人材を失わないためにも「辞める兆候」に気づき、フォローできるといいですよね。

今回は、辞める兆候のパターンや、退職を決意する前にできること、さらに退職の意思を伝えられたときにどのように対処するかを解説していきます。
原因に気づいて、優秀な社員が退職するのを未然に防ぐ対策をしていきましょう。

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辞める兆候 3段階のパターン

辞める兆候にもさまざまなパターンがあります。退職の意思の強さによって3段階に分けて紹介します。

引き留め可能なパターン【危険レベル/低】

辞める兆候として危険度が低く、今なら引き留めができそうなパターンを紹介します。
普段と比べてみて挨拶をしなくなったり、世間話をしなくなったりするパターン。これは仕事にやる気がなくなり、何らかの悩みを抱えていると思われます。逆に仲の良い同僚をよく誘うようになり、ランチや飲みに行き、愚痴ばかりこぼすのも良くない兆候。

まずは通常モードの状態を把握しておき、いつもと雰囲気が違うと感じたら、本格的に退職を考え出す前にフォローしましょう。

引き留めがやや難しいケース【危険レベル/中】

悩みや不満が募ってくると「辞めようかな」という考えが頭をよぎり始めます。すると、転職情報を見るようになり、何となくよそよそしくなることも。転職を考えているのを悟られまいとして、ランチに一緒に行かなくなるなど、同僚や上司との付き合いを避けるようになります。

具体的に転職サイトや転職エージェントに登録している場合もあり、髪型や服装が急に整ってくる場合もあります。仕事中にスマホを見ていることが多くなったり、今の仕事に身が入らず、帰社時間が早くなったりする傾向も見られるので、十分に注意してフォローに入りましょう。

引き留め不可能なケース【危険レベル/高】

上記のような兆候が見られていた人が、不自然な休みを数週間のうちに2回以上とった場合、転職活動をしている可能性があります。
また何となく雰囲気が明るくなったり、仕事中に上司の様子をうかがっていることが増えたりすると、すでに悩みから解放されているかもしれません。つまりは転職活動がうまくいき、辞める準備が着々と進んでいるということ。上司に言い出すタイミングを図っている可能性もあります。

いよいよ「お話したいことが…」と切り出されたら、ほぼ退職の話が出ると思っていいでしょう。こうなると引き留めるのが難しいレベルで、退職の決意は固いと思われます。

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引き留め可能なレベルでフォローしたいこと

このように、引き留め不可能なレベルまで達したら、フォローしても退職の意思を覆すのは難しくなります。その前の段階でフォローしておきたいことを紹介します。

日頃から声かけをする

すべての社員を観察し、細かい変化に気づいてフォローするのは難しいかもしれません。しかし、変化に気づくためには日頃のその人を知っておく必要があります。
普段から「最近どう?」といった気軽な声かけをして、月に1度15分程度でもいいので、世間話などする機会を積極的に作りましょう。

フィードバック面談を行う

退職したいと思うよく挙げられる理由は、以下のようになっています。

  • 給与が低い
  • やりがい・達成感を感じない
  • 会社の将来性が不安
  • 人間関係が悪い
  • 残業や休日出勤など拘束時間が長い

これらの不満にいち早く気づき、フォローするために「フィードバック面談」というシステムを作ってしまうのも1つの方法です。
フィードバック面談では、社員の評価をするだけでなく、結果を踏まえて今後どのようにすべきかを話し合うことが大切。「見てくれている」「評価してもらえた」という承認欲求を満たすことで、不満より意欲へ意識が向くようになります。

目標を明確にし、やりがいや達成感を感じられるようにモチベーションを上げていきましょう。
またフィードバック面談の中で、ヒアリングをすることも重要です。上司と部下という立場であっても、部下の意見を尊重してしっかり聞くことが不満解消の糸口になります。

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退職の意思を伝えられたらどうする?

退職届を渡されたり、直接「退職したい」と言われたりした場合、引き留められる可能性はかなり低い状態です。このような際に、どのようにすればいいのかを紹介します。また今後のためにもNGな行動についても説明していきます。

誠心誠意、話を聞く

すでに「辞める」という決意をしているので、意思を覆そうとしても難しいとはいえ、即了承するのは「やっぱり大切にされていなかった」と思わせてしまいます。周囲の社員たちにもあっさり認めたことが伝わると、今後にも悪影響が。

兆候に気づいていたとしても、動揺はしているはずですから、素直に残念な感情を表した方が相手にとって誠意を感じさせます。そして引き留めるというより「話を聞きたい」と伝え、別室で個人的に話を聞いてください。間違っても大勢が見ている前で退職の話をしないようにしましょう。
引き留められなくても、誠心誠意で「辞めないでほしい」と伝えることが大切です。

転属を提案してみる

退職の意思が固いのであれば、部署を異動する提案をしてみるのもいいでしょう。すでに転職先が決まっている場合は意思が覆る可能性は低いですが、とにかく辞めたいと思っている人なら思いとどまる可能性もあります。

退職したい理由によっては、違うセクション、違うフロアなど、人事異動によって環境を変えれば問題が解決できるでしょう。

退職を伝えられたときのNGな言動

まず言ってはいけないのが自分都合の言葉です。「今忙しいから辞められたら困る」といった会社の都合で引き留めても、辞めようと決意した人にはまったく響きません。威圧的な態度や言い方も、ますます不満を募らせることになるので注意しましょう。

また「給与を上げる」「昇進させる」など、待遇を変えて引き留めるのもNGです。一旦は引き留められても、根本的な原因を解消した訳ではないため、またすぐに退職したいと考えるようになるでしょう。
さらには他の社員たちにも「辞めるといえば給料が上がるかも」と思わせることになり、負の連鎖となります。引き留めるときに待遇面を上げることを条件にするのはやめましょう。

まとめ

優秀な人材が辞めてしまうことは、会社にとって大きな損失です。せっかく育ててきた社員が辞めないよう、辞める兆候パターンを知って早目にしっかりフォローしていきましょう。

また在職中の注意だけでなく、入社前のミスマッチが起こらないようにしておくことも大切です。求人票の記載に誤解のないよう気をつけ、面接時によく話を聞き、お互いに合うかどうかよく見極めるようにしましょう。

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