2020年以降、世界中を震撼させている新型コロナウイルスの影響で、就職活動の仕方も変化しています。中でも大きく変化しているのが「面接」。従来のような対面での面接が困難となり、Web面接を導入している企業が増えているのです。


今回は、企業にとってのWeb面接は、どのようなメリット・デメリットがあるのか、さらに導入するにはどのような環境や準備が必要なのかを解説していきます。
さらに、求職者への案内や安心させる方法、マナーなども解説していきますので、Web面接の導入を考えている方は、参考にしてください。

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「Web面接」という新しい手段

Web面接とは、パソコンやスマートフォンのビデオ会議システムなどを使い、オンラインで行う面接のことです。「オンライン面接」と呼ぶこともあります。

ビズリサーチの調査によると、Web面接を導入している企業は62.9%という高い結果に(出典:HRreview)。Web面接のメリットを考えると、感染症が落ち着いた後も定着していくと考えられるため、早い段階での導入は企業にとっても非常に大きなメリットとなります。

Web面接のメリット・デメリット

それでは、Web面接のメリット・デメリットを見ていきましょう。

Web面接のメリット

  • 時間や場所を選ばない
  • 応募者に交通費や宿泊費がかからない
  • 面接日程が調整しやすい
  • 面接を録画して社内共有できる
  • 遠方の良い人材を確保できるチャンス
  • 面接会場の準備がいらない
  • リモートやフルタイム以外の人材採用にも使える
  • 求職者の緊張がほぐれやすい

Web面接には、以上のようなメリットがあります。特に時間や場所を選ばないという点は、面接をスムーズに短期間で済ませられるということにも繋がります。
さらに応募者がどこにいても面接を受けることができ、交通費や宿泊費がかからないため、費用的な負担もないということに。企業としても一部交通費を負担する必要がなくなります。

Web面接は距離の壁をなくし、遠方や海外からの優秀な人材確保が可能になるばかりか、リモートで働く人やフルタイム勤務ができない人のための就活にも大いに役に立ちます。
面接会場を設定する必要もなく、社内の会議室や応接室でできるため、会場を借りたり、設営したりする手間もかかりません。

コロナ禍での就活をした人へのアンケートによると「感染症対策に限らず、Web面接はどう思いますか」の問いに、「良い施策だと思う」と答えた人は60%に登ります(出典:サポーターズ「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による就職活動への影響調査」)。
Web面接は、求職者にとってもメリットが大きいと言えるでしょう。

Web面接のデメリット

  • IT、通信環境の整備が必要になる
  • 担当者にWeb会議ツール運用やトラブル対応スキルが必要
  • 応募者に通信環境がないこともある
  • 面接中の通信トラブルで本来の姿が見えない
  • 情報漏洩のリスクがある
  • 応募者側からも面接の様子を録画できる
  • 自社の雰囲気を感じ取ってもらえない

Web面接の最大の問題は、ITや通信環境の整備です。リモートワークを積極的に取り入れている企業であれば、すでに整っている可能性が高いですが、新たに導入するとなると、自社に適したWeb会議ツール選びからしなくてはなりません。
もちろん、導入には初期費用がかかります。

さらに面接担当者は、Web会議ツールがスムーズに運用できる知識が必要となり、通信や機器のトラブルに対応できるスキルも必須です。面接の際に、資料を共有したり、面接の様子を録画したりできるメリットの一方で、情報漏洩のリスクにも晒されてしまいます。
何より、Web面接では担当者とその背景しか映っていないため、実際に足を運ぶことで感じられる「自社の雰囲気」を伝えることができません。

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Web面接を導入するのに必要な準備

Web面接を実施するために必要なツールや環境を紹介します。

ネット環境

Web面接の質を左右する大きなものが、ネット環境です。近年ではWi-Fi接続が主流ではありますが、通信速度が不安定になることがあります。映像が途切れたり、音声に時間差が出たりすると、応募者を不安にさせてしまうので、有線LANケーブルを利用した通信環境をおすすめします。
通信速度が不安定になりにくくなり、Web面接がストレスなく行えます。

デバイス

パソコンやタブレット、スマートフォンなどがWeb会議をする上で必要なデバイスとなります。応募者側はタブレットやスマーホフォンでもよいでしょうが、企業側はよりスペックの高いパソコンやーノートパソコンがおすすめです。

Webカメラ&スピーカー

現在はほとんどのデバイスに、カメラもスピーカーも内蔵されていますが、より画質や音声にこだわるなら、外付けのカメラやスピーカーがあるといいでしょう。
カメラやスピーカーが充実していると、就活セミナーやWeb会議などにも快適に活用できます。

ヘッドセット

ヘッドセットとは、ヘッドホンとマイクが一体になった機器のこと。スピーカーからだと相手の声が聞き取りにくかったり、自分の声が相手に聞こえにくかったりするため、Web面接ではヘッドセットの利用がおすすめです。

Web面接前に求職者を安心させる方法と丁寧な案内の仕方

Web面接はまだ新しい面接方法であり、求職者にとってはWeb面接が初めてという人も少なくありません。事前に求職者を安心させる方法や、丁寧な案内の仕方などを紹介します。

メールでの事前連絡

Web面接においては、メールでの事前連絡が最重要事項になります。対面であれば、とりあえず会場まで来てもらえばいいのですが、Web面接では求職者のIT環境も整っていないと実施できないからです。
Web面接を行う際は、必ず以下の内容を求職者にメールで伝え、準備をしてもらいましょう。もし環境が整わない場合は、相談してもらえるような対応ができると尚よいです。

  • Web面接の日時
  • 面接で使うWeb会議システム(ZoomやSkypeなど)
  • 接続に必要なもの(ネット環境、マイク内蔵もしくは外付けカメラのあるパソコンやタブレット)
  • Web会議システムをインストールするお願い(必要な場合はインストール方法も明記する)
  • Web会議システムにログインするためのURLとその手順
  • 接続不良や途切れた際のための緊急連絡先電話番号やメールアドレス
  • 面接時の服装

当日朝に確認メールを送る

求職者は、準備をして待っていても、様々な不安を胸に抱えているものです。また接続方法などを記載したメールを送ってから日が経っているようなら、メールを探すのに手間取っているケースもあります。
Web面接の日時と、接続方法の両方を確認できる意味でも、当日の朝リマインドメールを送るのはとても親切です。面接の件数が多くて、わざわざメールが送れない場合は、自動メール送信機能を使えば楽に行えます。

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相手への映り方に気をつける

カメラを自分の目線より下に設置すると、上から目線になって威圧感を与えてしまいます。またカメラに近すぎても圧迫感があるため、カメラと自分の距離には気をつけましょう。
できれば事前に自分がどのようにカメラに映っているか、社内の人などに手伝ってもらってテストしてみましょう。

万が一切断してしまった時の対処法

Web面接の事前メールにも記載してほしいのが、万が一接続が切れた場合の対処法です。面接中にWeb会議システムが切断してしまっても面接に影響がないことを伝え、落ち着いてメールに記載された連絡先に電話するか、メールをするよう指示しておきましょう。

Web面接においてのマナー・服装

Web面接においても、対面と同じように企業側の服装はスーツです。企業側は基本的に社内にいることが多いでしょうが、マイクに周囲の音が入らないよう注意しましょう。

さらに、面接中はメールやチャット、SNSの通知などが届かないようオフに。スマートフォンも切っておきます。
対面と違ってリアクションが薄く感じてしまうため、普段より大きな声でゆっくりと話し、うなずく、手振りなどややオーバーめにアクションしましょう。

まとめ

メリットも大きい反面、デメリットにも気をつけたいWeb面接。まだ新しい面接方法ではありますが、これから定着する可能性が高いため、導入を検討しているなら記事を参考にしてみてください。
対面面接より軽く見られないためにも、事前の連絡をきっちり行いましょう。メールや電話以外のLINEなどの連絡先を聞いておくのもポイントですよ!