「転職したい」と思ったことはありますか?ともすると、転職の理由はネガティブなものに偏りがち。再就職の際にも「転職回数が多いと不利になるのでは?」「35歳を過ぎると転職できないのでは?」などと、良くないイメージがつきまといます。

しかし、ネガティブイメージをポジティブに捉えていくことで、転職によるスキルアップやキャリアアップのチャンスは広がります。

今回は、転職したいと思った理由や現状を検証しながら、実際の転職体験談を紹介します。転職をもっと前向きに考えれば、さまざまな理由で諦めていることにも挑戦できるようになります。

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転職したい理由の現状は?ポジティブへ変換できる?

デスクワークをする女性

現在の転職希望者が、転職したい理由とは何でしょうか?またその理由をポジティブに変えることは可能でしょうか?

転職したい理由ベスト10

まず、現状での転職を考えるきっかけとなった理由を知るために、「エン転職」が2020年に1万人を対象に実施した実態調査を見てみましょう。
調査によると、転職のきっかけのベスト10は以下の通りです。

  • 1位 やりがい・達成感を感じない
  • 2位 給与が低い
  • 3位 人間関係が悪い
  • 4位 自分の成長が止まった・成長感がない
  • 5位 評価・人事制度に不満がある
  • 6位 社風や風土が合わない
  • 7位 業界の将来性に不安を感じる
  • 8位 企業の業績に不安を感じる
  • 9位 残業・休日出勤など拘束時間が長い
  • 10位 待遇(福利厚生等)が悪い

参考:エンジャパン「『エン転職』1万人アンケート(2020年8月)「転職のきっかけ」実態調査」

やはり、転職を考えるきっかけとなったものは、ネガティブな理由が多いようですね。
しかし、考え方をポジティブに変えてみると、転職に対する考え方も変わってきます。次の項で思考の転換の仕方を解説します。

ネガティブな転職きっかけをポジティブに変換

転職したい理由はほとんどがネガティブなものでした。しかし、考え方ひとつでポジティブに変えることができます。
例えば、以下のように考えてみてはどうでしょうか。

  • やりがいや達成感を感じない →スキルを活かせ、やりがいを感じるために転職する
  • 給与が低い →もっと収入を安定させるため給与の高い職を見つける
  • 人間関係が悪い →自分に合うコミュニケーションがとれる職場を見つける
  • 成長が止まった →もっとスキルアップできる職場に行きたい

このように、同じ理由であっても考え方や視点を変えるだけで、転職に対して前向きな気持ちになれます。辞める時に退職理由を聞かれても、就活面接で転職理由を聞かれても、答えを準備しやすくなります。

転職者の割合はどのくらい?

それでも転職につきまとうネガティブイメージ。
では、社会全体で見た時、転職者はどのくらいの割合を占めているのでしょうか?
厚生労働省が平成27年に発表した事業所調査の結果によると、一般労働者がいる事業所のうち、転職者がいる事業者の割合は、35.7%です。
業種別に転職者の割合を見てみると、多い順に以下のようになっています。

  • 情報通信業……48.7%
  • 運輸業、郵便業……48.5%
  • 医療、福祉……45.3%
  • 不動産、物品賃貸業……45.1%

逆に、転職者の割合が少ない業種は以下の通りです。

  • 複合サービス業……14.4%
  • 電気、ガス、熱供給、水道業……25.2%
  • 教育、学習支援業……25.4%
  • 金融業、保険業……25.7%

参考:厚生労働省「平成27年転職者実態調査の概況」

このように、業界によって違いはあれど、約半数が転職者であるという企業も多いのです。転職先で少数派になることもなさそうですね。

転職回数は転職に不利なのか?

転職のネガティブイメージによくあるのが、転職回数です。一般的な転職の回数と、採用担当者にとって何回ならネガティブに受け取られないのかまとめました。

転職回数はどのくらい?

リクナビNEXTの集計によると、転職の回数は年代によって違うことがわかります。
20代では転職したことがない人が76%もいるのに対し、30代になると47%に激減。年齢が上がるほど転職回数が増えるのは当然ではありますが、それでも多くの人が転職を1〜2回経験しているようです。

【年代別転職回数の割合】

 なし1回2回3回4〜5回6回以上
20代76%16%6%2%00
30代47%24%16%8%5%0
40代38%20%18%11%12%1%
50代34%21%17%11%16%2%

参考:リクナビNEXT「転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態」

さらに、同調査で「転職歴は何回目から気になりますか?」というアンケート結果では、「3回目から気になる」が40%と1番多く、継いで4回目、5回目という順番でした。
つまり、ほとんどの採用担当者が2回目までの転職はあまり気にしていないということですね。
とはいえ、「転職回数は気にならない」と答えた採用担当者も15%いることから、現在は転職回数が多いだけで不利になる傾向は少ないと言えます。

転職回数が3回以上であるなら、それを補える転職理由やマッチング要素があれば、ポジティブに転職に臨めるでしょう。

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実際の体験談!「あなたの転職のきっかけは?」

今回の記事を公開するにあたり、求人サイト「はたらくぞドットコム」運営メンバーのさまざまな転職エピソードをご紹介。



女性/当時28歳/転職回数:はじめて
新卒で銀行に入行しました。
お客様への対応や、コツコツとした事務作業は好きでしたが
お客様にセールスをする点がだんだん辛く感じてきました。
資産活用の選択肢を広げるものではありますが私の中で仕事の目的が
「お客様の要望に応える」ではなく「支店の目標のため」になっていることに気づき
入社6年目で転職を決意しました。

しかしながら、銀行での勤務で「お客様対応」「コツコツとした事務作業」が
自分にとって楽しめる仕事であることを知り、
また経験も積むことができたので、私の人生の貴重な糧となっています。

現在転職し、全く別の業種・業務にあたっていますが
前職の経験を活かしつつ、新しい視野や気づきを得ることができ、
また、お客様に要望に応えるために前向きに業務に取り組めることが楽しいです。

やっていて「楽しい」と思う仕事に専念するための転職も1つの選択肢だと思います。



女性/当時27歳/転職回数:3回
全国・海外にチェーン展開している飲食店運営会社で広報制作をしていたが
以前から興味のあったアパレル系ECサイト運営会社へ転職。

3回目の転職だったので不利かと思いましたが、以前よりネットショッピングを
日常的に行っていたことはもちろん、転職活動中にもさまざまな制作コンペに応募し続け、その実績を含め、店舗数が多い会社での同時新店舗オープン案件の進捗管理や企画瞬発力を評価していただき業界未経験の場所で新しいスタートをすることができました。

同じ広報制作といっても扱う商品が違うだけで学ぶことは多く広がり
「興味があったから」という理由だけで踏み出せたのは性格もあると思いますが
好きだからこそ未経験の場所でも積極的に勉強を続けられたと思っています。

転職をした分、色々な業界で得た知識を応用して新しい場所でも提案できるようになり
転職をして良かったと今でも思える糧になりました。



女性/当時35歳/転職回数:4回
コールセンターで働いていましたが、自分で回答して解決ではなく
内容を聞いて別の担当者から折り返しの案内をするだけだったので、物足りなく感じていました。

でもシフトの融通も効く、クレームも少ない、辞めるのはもったいないかな…と
迷いながらも転職活動をはじめることにしました。

小学校低学年の子どもがいるので、時短勤務、シフトの融通が効く、土日休みを条件に
仕事を探していたところ、コールセンターの経験も活かせる条件にぴったりな
企業を見つけ内定をいただきました。

同僚の方々に助けてもらいながらなので、自分で解決できないこともまだありますが、
自分で回答することに今はやりがいを感じています。
子どもの行事等でのお休みも取りやすく、仕事と育児の両立ができており
思いきって転職してよかったです。

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まとめ

転職にありがちなマイナスイメージですが、捉えようによってはポジティブに変換できます。年齢や性別、ブランク、転職回数などで諦めず、「転職をしたい」と思う中でしっかり自分が転職したい理由を明確にして、もっと前向きに転職を検討してみましょう。

また転職することに対して「逃げるのはよくない」「簡単にやめてはダメ」と思い込んでいる人も、なぜそう考えるのか?本当にそうなのか?と自分を納得させるためにも、周囲の転職エピソードを聞いたり、ネットの体験談を読んでみるのもいいと思います。繰り返しですが「何のために転職するのか」をよく考え、採用決定までに時間がかかったとしても、はたらくぞドットコムでは転職したい人を応援していきます!