人手不足が叫ばれる介護職。求人も多く見かけますが、資格がなくても応募できるものがあることをご存知でしょうか?
資格の有無でできる仕事の内容が変わってきますが、資格なしでも介護職で働きながら資格を取得していくこともできます。
今回は、介護職のメリットや、資格なし・資格ありで違う職種や仕事内容を紹介します。また、未経験で介護職に転職し、働きながら資格を取る方法についても解説。
介護職に興味がある人は、参考にしてみてくださいね。

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介護職のメリット

介護職にはたくさんのメリットがあります。生活に密着したスキルが磨け、将来性もある介護職のメリットを見ていきましょう。

求人が多い

高齢化が叫ばれる日本において、介護職は慢性的な人手不足。世の中が不景気であっても介護施設は年々増加傾向にあります。
さらに2025年には後期高齢者が劇的に増加する見込みで、介護職員は約38万人も不足するとの予測がされています。国もこの問題を意識した働きかけをしており、無資格でも介護業界に就労できるチャンスが多いのです。

年齢・学歴が不問

介護職で働く男性は、30代が34.8%と最も多いのに対し、女性では50代が25.6%、次いで40代が25%となっています。さらに60代でも19%の女性が働いており、応募の際に「年齢で引っかかるかも」という心配がありません。
子育てが終わってからでも十分に働ける職種と言えるでしょう。

時間の融通がきく

介護職の主な働き方はシフト制です。自分に合った勤務時間帯を選びやすく、特にライフステージの変わりやすい女性にはぴったりです。
子どもが小さいうちは短時間のパートタイム、子育てが一段落したらフルタイムや夜勤も入れるなど、働き方を生活に合わせて変えることも可能。
比較的平日の休みも取りやすいので、家庭やプライベートも大切にできます。

安定した仕事で将来性がある

介護職は景気に左右されない安定した仕事です。これから需要も大きくなるため、ますます求められる仕事と言えるでしょう。
また、資格を取得していけば給与もアップすることが多い求人です。

親の介護などにもスキルが活かせる

介護職で身につけたスキルや知識は、自分の親など身近な人の介護が必要になった時にも役立てることができます。
仕事として身につけた介護は、家族の介護においても役立ちますし、介護される人も安心できるでしょう。

経験を積めば上位資格が取れる

無資格で就職できる介護職ですが、働きながら経験を積んで上位資格が取れます。介護職の資格については後ほど詳しく説明しますが、資格を取得するのに実務経験年数が必要なものもあるため、働きながら資格を取っていくのはとても効率の良い方法です。
もちろん、資格があればできる仕事の範囲も広くなりますし、給与にも反映されます。

資格なしで行える職種・仕事内容

資格なしで始められる介護職は「介護助手職」です。
介護職は利用者の身体に直接触れるため資格が必要なのですが、介護職員のサポートという形で仕事ができます。
仕事内容を以下にまとめました。

  • 生活援助……買い物や調理の支援。施設・在宅問わず介護者とともに支援します
  • 掃除・洗濯…要介護者の自宅での掃除や洗濯、介護施設での環境整備や入居者の洗濯など
  • 送迎業務……デイサービスなど通所事業所や居宅介護などでの要介護者の送迎。普通自動車免許は必要です
  • 事務業務……請求書や郵便物の発送、備品の発注、お客様対応など

資格があるとできる職種・仕事内容

介護職にはさまざまな資格があります。9つの資格とそれぞれの仕事内容、受験内容や受験に必要な資格をまとめましたので、将来どの資格を目指すのか参考にしてみてください。

資格主な仕事内容受験内容・受験資格
介護職員初任者研修介護の入門資格  130時間の研修(講義+演習)を修了し、修了試験合格
介護職員実務者研修サービス提供責任者として医療的ケアなども行う。介護福祉士取得のために必要450時間の研修を修了
ケアマネージャーケアプランの作成、介護のコーディネート指定業務で5年以上かつ900日以上の実務経験が必要。都道府県による試験に合格
介護事務PCスキル、介護保険や経理業務いくつかの実施団体があり、受験資格はほぼ不問
★介護福祉士介護職唯一の国家資格。サービス提供責任者、生活相談員、チームリーダーとなる福祉系高校、養成施設、実務経験のルートがあり、難易度は高め
レクリエーション介護士介護を理解しレクリエーションを行う2級は誰でも受験可、1級は2級取得者。 試験は在宅で行う
介護予防運動指導員高齢者に運動を通して身体ケアを行う介護福祉士、ケアマネなどの有資格者で実務2年以上
福祉用具専門相談員高齢者や障害者に装具や福祉用具のアドバイスなどを行う50時間の受講と修了評価試験合格
喀痰吸引等研修たんの吸引、経管栄養を行える介護職員3種類の研修を修了

未経験で転職し、働きながら資格取得も可能

前項の表でわかるように、介護職は未経験でも、働きながら資格を取得していくことができます。
★を付けている「介護福祉士」は、介護職唯一の国家資格です。介護職において、介護福祉士を目指すのが一般的と言えるでしょう。介護福祉士の資格取得には福祉系高校ルート、養成施設ルート、実務経験ルートがあります。

養成施設ルート

養成施設ルートとは、指定の介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士を目指すルートのこと。高校卒業以上かそれに準ずる学歴が必要で、四年制大学、短期大学、専門学校などに分けられます。
普通科の高校卒業で2年以上、福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設のいずれか卒業で1年以上通う必要があり、介護福祉士の資格を得るまでにかなりの時間がかかることになってしまいます。

福祉系高校ルート

福祉系高校を卒業していれば2008年以前の入学者は、卒業後に筆記試験、実技試験に合格、2009年以上の入学者は筆記試験合格で介護福祉士の資格が取得できます。
また福祉系特例高等学校に2009年以降入学した人は、卒業後に実務経験9ヶ月以上を積み、筆記試験、実技試験に合格する必要があります。
ただし、すでに社会人である場合、福祉系高校ルートは現実的ではありません。

実務経験ルート

働きながら介護福祉士を目指すには、介護施設での実務経験3年以上、実務者研修の修了という条件があります。無資格でも介護施設で働きながら実務者研修を修了しておけば、3年後には受験可能となります。
転職して介護職に就くのであれば、介護施設で働きながら実務経験を積むのがおすすめです。

まずは働きながら国家資格の「介護福祉士」を目指すことで、給与を得ながら実務経験を積むことができます。その間、介護職員初任者研修や介護職員実務者研修などを取得しておきましょう。
介護福祉士に合格すれば、仕事の範囲も広がり、待遇や給与アップもできるのでモチベーションを保ちやすいといえるでしょう。実務を行いながらの試験勉強ですから、座学だけの勉強よりも実のある勉強になります。

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まとめ

介護の仕事は資格がなくても就職できます。働きながら実務経験を積めば、上位資格を取得していくことも可能です。これからますます需要が増え、将来性もある介護の仕事はメリットも多く、年齢や特別な経験も求められることはありません。大変なお仕事ではありますが、無資格での求人も多いので、まずは介護業界で働いてみませんか!