前の会社を辞めてから次の就職まで時間が空いてしまったら、転職には不利になるのでしょうか?またどのくらいの空白期間があると、マイナスととられてしまうのでしょうか?
職歴にブランクがある理由は、人それぞれです。空白期間が転職の際に不利にならないようにするには、企業がこのブランクをどう見ているかを知ることが大切。
今回は、空白期間が転職にどう不利になるのかを踏まえつつ、ブランク期間をどのように伝えれば良いかを考えていきます。その間の税金や年金についても解説しますので、参考にしてみてくださいね。
空白期間は転職に不利なのか?
次の仕事をするまでに時間が空いてしまったら、転職活動に不利になってしまうのでしょうか。なぜマイナスの印象になってしまうかを解説します。
仕事への意欲の低下
「5月病」という言葉もありますが、長い休みの後は仕事に行く気力が落ちてしまうことはよくあります。離職期間が長くなると、働く意欲がわきにくく、仕事モードへシフトすることが困難な場合も。
長引けば長引くほど、モチベーションが下がるのは否めないので、企業側はマイナスのイメージを持ってしまいます。
知識やスキルが現在に対応できるか
どのような業界でも数ヶ月で市場は変化していきます。特にIT業界やWeb業界、クリエイティブ業界では、数ヶ月のブランクで知識やスキルに遅れが出ることも考えられます。長く現場から離脱していたことによる“勘”の衰えも気になるところです。
空白時間に何をしていたかにもよりますが、まったく仕事から離れていた場合には、前職での経験がプラスにならない場合も。
転職では、企業は即戦力を求めているので、すぐに現在の仕事内容に対応できるのかを懸念されてしまいます。
企業に多くを求めすぎて柔軟性に欠ける
転職活動をしていながら長くブランクが空いている人の場合、職種や年収などの条件をすべて満たす企業でないと満足できないのだろうかという、柔軟性を疑われてしまいます。
または、転職活動がうまくいかずどこにも採用されない人材なのかと、採用担当者を不安にさせているかもしれません。
ブランク期間は何ヶ月までOK?
退職してから転職活動をする場合、一般的には2〜3ヶ月で内定が出ます。これを踏まえると、空白期間が4ヶ月以上続いている人は、面接時にたずねられる可能性が高いと言えるでしょう。
明確な理由もなくブランクが長引いているのは、計画性がない、臨機応変さがないとマイナスに見られることもあるので、空白期間が長くならないように転職活動をすることが肝要です。
ブランク期間をプラスに変えるためのポイント
ブランク期間があっても、きちんとした理由を面接で伝えられれば悪い印象にはなりません。4ヶ月以上空白期間がある人は、面接でどのように伝えればマイナスイメージを払拭できるでしょうか。
ブランク期間に何をしていたか?
育児や介護、自身の病気などによるブランクはどの企業でも納得がいくでしょう。また、短期の語学留学や新たなスキルを得るための通学、難関資格取得のための勉強なども、空白期間が長引く要因としては説得力があります。勉強のためという理由の場合、その結果についても聞かれる可能性は高いでしょう。
ただし、「失業保険をもらうために働かないでいた」「アルバイトをしていた」という理由でブランクが長引いていたのであれば、働く意欲を疑われても仕方がありません。アルバイトをしていたのであれば、次の仕事に活かすためなど、企業側の不安を払拭する理由が必要です。
ブランク期間中にやっていたことを次の仕事で活かせるか?
例えば、大学卒業後3年で会社を辞め、1年間海外でバックパッカーをしていたとします。次の転職ではファッション業界を希望していますが、志望動機や面接でブランク期間のことをそのまま答えてしまうと、「ぶらぶら遊んでいただけ?」と取られてしまう危険性もあります。
しかし、その間世界各国のファッション事情を学び、流通がどうなっているか知識を蓄え、語学の勉強もしていたと伝えたらどうでしょう。
ファッション業界を知るための計画性があり、国際的にも活躍できるよう語学力も身につけ、向上心があるとプラスに受け取ってもらえます。
好きなことをするために長い空白期間ができたとしても、次の転職に活かせそうなポイントを見つけてアピールすれば、マイナスイメージはなりません。
ブランク期間をマイナスにしない応え方
では、具体的にどのような応え方をすればマイナスイメージにならないかを説明します。
子育てでブランク期間がある場合
前職はプログラマーとして活躍していたAさんは、臨月に入るまでは働き、出産後は育児に専念したいと考え退職。子どもが幼稚園に入る3歳頃からはまた職場復帰をしたいと思い、ブランク期間中も時間があれば資格勉強をしたり、在宅ワークでプログラミングの仕事も受けていました。
『出産のために前職を辞め、子どもが幼稚園に入るまでは子育てに集中していました。その期間も手が空いた時にはインターネットで情報を集め、最新のプログラミングについて学んでおり、在宅ワークで受注もしていました。
働きながらの取得は厳しいので、その間「PHP技術者認定初級試験」と「C言語プログラミング能力認定試験」「Ruby技術者認定試験」の3つを取得しています』
就職活動が長引いてブランク期間がある場合
大手商社に就職したものの、営業職が合わずに3年で退職をしたBさん。学生の頃から憧れていた大手広告代理店にもう一度チャレンジし、その他にも広告代理店に応募してみましたが内定をもらえず、1年が経過。自分を見つめ直したところ、広告業界ではなく得意な英語を活かせるグローバルな仕事がしたいと気づきました。
『前職を退職し、以前から憧れていた広告代理店への転職活動をしていましたが、不採用が続き自分の本当にやりたいことではないと気づきました。再度自分を見つめ直し、得意だった英語を活かしてグローバルな仕事がしたいとわかり、転職活動をしながらビジネス英語を学びました。現在はTOEIC830点のスコアがあり、御社の海外との取引でも十分な英語力を身につけました』
ブランク期間の税金や年金はどうしたらいいの?
ブランク期間でも税金や年金の支払いは生じます。後で支払いに困らないよう、確認しておきましょう。
住民税と所得税
ブランク期間はつまり「無職」の期間です。この間でも、住民税や所得税、年金の支払いはあります。
在職時は給与から天引きされていた住民税ですが、再就職をしない限りは自分で納付することになります。税額は、前年の1月1日から12月31日までの給与を元に決定されるため、住んでいる地域の自治体から毎年6月に納付書が届きます。住民税を普通徴収に切り替えるためには、居住地の市区町村に問い合わせてみましょう。
また退職していても、1月1日から12月31日までの間に収入があれば所得税を支払う必要があります。もし退職金が出ているのであれば、その年の所得が多くなる可能性もあります。その場合は、「退職所得控除」が受けられるので、自治体で控除額を調べてみましょう。
年金
在職中は会社で厚生年金に加入しており、給与から天引きされていましたが、退職後は国民年金に切り替える必要があります。国民年金への加入は、日本国内に住んでいる20〜60歳の人に法律で義務づけられていることですので、退職したら14日以内に年金の切り替えを行わなければなりません。
転職先が決まっていれば次の会社で厚生年金へ加入しますが、そうでない場合は、国民年金へ切り替えるか、家族の扶養に入る必要があります。
まとめ
ブランクが4ヶ月以上空くと、転職活動にマイナスイメージとなることがあります。ただし、その間に何をしていたか、それを面接などでどのように伝えるかで、プラスイメージに変えることもできます。今一度自分を見つめ直し、転職活動に活かしてくださいね。