採用過程において、企業と求職者がお互いの理解を深めるために重要な面接。
面接では、求職者が緊張していることは当然ですが、緊張の度合いは人それぞれで、採用担当者は緊張をほぐすことにも工夫が必要です。
今回は、面接官の心構えから緊張をほぐすための「アイスブレイク」について解説していきます。
具体的に有効なアイスブレイクの質問も紹介するので、参考にしてみてください。

ミスマッチを防ぐための面接官の心構え

面接で大切なのは、入社後のミスマッチを防ぎ、自社に合う人物かを見極めること。そして求職者の「入社したい」という動機を形成することです。まずは面接官としてしっかり備えましょう。

面接官の目的

面接の第一の目的は「見極め」です。しかし、見極めようとする余り、求職者を余計に緊張状態にしていることも事実。
「自社に適した人材かどうか」を見極めるために面接を行いますが、一方で求職者に自社の魅力をアピールし、「入社したい」と感じてもらうことも重要な面接の目的です。
一方的に「見極める側」として求職者に接すると、相手に威圧感を与えてしまい、良い印象を持ってもらえなくなります。

面接官も自己開示をする

面接に限らず、どのような会話においても言えることですが、相手から話を引き出したいなら、まずこちらから自分のことを話すのがコツです。
一方的に質問攻めにしては、取り調べのように圧迫感を覚えてしまうので、面接官自らが自分の情報を提供すると、相手も話しやすくなります。

例えば、自分が面接の時もすごく緊張した、学生時代このように就職活動したなど、共感できる話題がよいでしょう。
最初は表面的なことから、徐々に自分の入社の動機や不安だったことなど、内面的なことに話を向けていくと、求職者も本音を話しやすくなります。

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求職者に関心を持つ

忘れてはならないのは、「求職者も企業を見極めている」ということです。
上から目線で「見極めてやろう」としていると、緊張を与えるばかりか、入社したいという意欲を削ってしまう可能性もあるため、求職者に寄り添い、関心を持って接しましょう。

自分に関心を持ってくれたと思えば、好感度は上がります。どのような求職者であっても、行動や考え方に関心を持ち探求していくことが大切です。

面接で緊張をほぐすアイブレイク

本格的な面接に入る前に、アイスブレイクで求職者の緊張をほぐすと、リラックスして本来の面接の役割が果たせます。アイスブレイクとは何か、どのような質問が有効なのかを見ていきましょう。

アイスブレイクとは?

アイスブレイクとは、氷を壊し溶かすという意味合いのことで、会議や研修などの前に簡単な自己紹介やゲームなどをして、初対面の人とのぎこちない雰囲気を和ませるものです。
ちょっとした会話で場の空気がやわらくなり、求職者の緊張が解け、面接の本題に入ってもスムーズに会話が進むようになります。

ただし面接は限られた時間内で行うため、アイスブレイクばかりに時間を割くわけにはいきません。上手くアイスブレイクのコツを掴み、求職者の緊張をほぐしてあげましょう。

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アイスブレイクのコツ

コツ① まずはお礼と自己紹介

アイスブレイクの前に、面接に来てくれたお礼と簡単な自己紹介をしましょう。求職者は履歴書などを提出したりして、自分のことを開示しているのに、面接官が名乗らないまま面接をスタートしてしまっては、印象はよくありません。
「面接官の第一印象=企業の印象」であることを忘れずに、求職者に対して敬意を払うことが大切です。

コツ② 「はい」「いいえ」で答えられる質問をする

会話の入口は、相手が「はい」か「いいえ」で答えられるものにしましょう。そこで会話が途切れる心配をするより、簡単に答えられる質問で言葉を発しやすくする目的があります。
例えば、履歴書を見てわかるようなことを聞いて見ましょう。

「出身地は○○なのですね」「趣味は○○ですか」など。「はい」と返ってきたら、そこから「どのようなきっかけでこちらへ出てきたのですか?」「趣味は何年くらいやっているのですか?」など、発展させることができます。

その際、面接官自身も「私も○○出身なんです」「私は○○が趣味なのですが…」などと、自己開示ができれば求職者の緊張もほぐれ、親近感がわきます。

コツ③ アイスブレイクに割く時間を決める

アイスブレイクの時間は短すぎても長すぎてもよくありません。目安としては、面接時間の10分の1程度。
面接時間が30分であれば約3分、60分であれば5〜6分程度がアイスブレイクに適した時間です。

何も考えていなければ、ただ時間を埋めるだけの無意味な会話となってしまうため、あらかじめどのようなアイスブレイクをすれば良いか、いくつかパターンを考えておく必要があります。
面接官自身が話しやすいことはもちろんですが、求職者によって性格も緊張の度合いも違いますから、いくつか準備しておくことが大切です。

有効なアイスブレイクの質問例

「はい」「いいえ」で答えられる質問をクローズドクエスチョンと言いますが、それとは逆に相手に自由に答えさせる質問をオープンクエスチョンと言います。
アイスブレイクでは、スムーズにクローズドクエスチョンからオープンクエスチョンへ移行することを意識しましょう。

【クローズドクエスチョンの例】

  • 弊社の場所はすぐにわかりましたか?
  • 外は暑いですね、室温は大丈夫ですか?
  • 今日は生憎の雨ですね、濡れませんでしたか?
  • 趣味は○○なのですね。楽しいですか?

この「はい」「いいえ」で答えられる質問には、次に話を発展させやすいという特徴があります。では、どのように発展させるか、見ていきましょう。

【オープンクエスチョンへの発展】

例1)
クローズド:弊社の場所はすぐにわかりましたか?

A:「はい」

オープン:どのようにして来られましたか?

★このオープンクエスチョンで、求職者が会社まで来た方法を自由な言葉で答えられます。緊張していても簡単に答えられることがポイントです。

例2)
クローズド:今日は暑いですね、室温は大丈夫ですか?

A:「はい」

オープン:九州のご出身なのですね、地元も暑いですか?私は東北の生まれなので暑いのが苦手なんですよ。

★今日の気温から地元ネタへ自然と持って行き、自分の出身地も自然にオープンにすることができます。

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逆に緊張させてしまうNG質問

良かれと思った質問も、余計に相手を緊張させてしまうことがあります。以下に、NG質問を紹介します。

「緊張していますか?」→緊張がほぐれることもありますが、不快感や威圧感と受け取られることもあるため、アイスブレイクには向きません。

「面接は何度目ですか?」→求職者にとって正直に答えてよいか迷う質問です。転職活動では他社も受けている可能性は高いため、余計な緊張感を与えてしまいます。

「弊社をどのようにして知りましたか?」→面接の本筋としては問題ない質問ですが、アイスブレイクではいきなり志望動機を聞かれたようになってしまいます。合否に直結すると感じる質問なので、アイスブレイクではNGです。

他にも、時事ネタはネガティブなものや政治・宗教などの話題に及ぶリスクがあるため、アイスブレイクとしては避けた方がよいでしょう。ちなみに、政治・宗教など個人の思想に関する質問は、厚生労働省によって禁止されているので注意が必要です。

まとめ

アイスブレイクはあくまでも「カジュアルな会話」を心がけ、求職者が話しやすくなるような展開になるよう、工夫しましょう。
ミスマッチを防ぎ入社意欲を高めてもらうためにも、アイスブレイクのパターンをいくつか準備することをおすすめします。求職者と対等の立場であることを意識してくださいね!

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