国が推進している働き方改革や、コロナ禍によって、副業が大きな注目を浴びています。
副業を希望する人も増え、企業側も副業を認める傾向にある中、副業をどのように捉え、ライフスタイルに取り入れるべきなのでしょうか。
副業が注目を浴びる背景や、「複業」「兼業」との違い、メリット・デメリット、複業をする際の注意点などを解説します。
副業が注目される背景とは?
なぜ今、副業をしたい人が増え、副業解禁する企業が増加傾向にあるのでしょうか。
国の推進と働き方改革
厚生労働省は2019年に「働き方改革」の定義を発表し、「働く人びとが、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにする」としています。
さらに2018年に策定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を2022年7月に再改定。副業・兼業によって労働者が適切な職業選択を通じ、多様なキャリア形成を促進するため、企業に副業・兼業の取り組みを自社ホームページなどで公表することを推奨しています。
ただし、企業は自社に不利益となる従業員の副業・兼業を制限できる場合もあります。
フリーランスという働き方に魅力
企業に勤めながら副業を行うのではなく、個人事業主として収入を得るフリーランスという働き方を魅力的に思う人が増えています。
2019年の中小企業庁「小規模企業白書」によると、フリーランス人口は440万人と推計。さらに2021年の大手クラウドソーシング「ランサーズ」の調査によると、1,670万人となっています。
これは全労働人口の24%にあたり、激増していると言えるでしょう。
ただし、あくまでも副業としてのフリーランスも多いようで、業種的にはクリエイティブや職人といった業種に偏る傾向があります。
※参照元:中小企業庁「小規模企業白書」
ランサーズ「新・フリーランス実態調査2021-2022年版」
コロナ禍による影響
コロナ禍によって飲食業など、やむなく休業を迫られた業種がありました。一般的な企業でもリモートワークを導入し、家にいる時間が長くなった人が続出しました。
そこで収入を断たれた人が、工夫をしながら何とか本業とは別に収入を得る道を模索し、それが副業となったこともあります。
また、企業に勤めていてもコロナ禍によっていつ何時どうなるかわからないという不安に晒され、本業のほかにも収入源を見つける動きがありました。
コロナ禍によって加速したリモートワークも手伝い、多くの人が副業を持つことを考え始めたと言えます。
副業・複業・兼業の違いは?
副業に似た複業や兼業という言い方があります。どのように違うのかを説明します。
副業【Side job】
本業がある上で、それとは別に働いて収入を得ることを副業と言います。しかしどのような仕事が副業となるのか、法律上では明確な定義がないのが実情です。
法律では、会社員が会社の就業後に時間をどのように使うかは自由としており、その中には就労も認められています。ただし、勤務している会社によっては就業規則で副業を禁じている場合や、副業の内容によっては認められない場合があります。
複業【Parallel work】
副業と同じように明確に定義されていませんが、一般的には本業と同程度またはそれを超えるほどの収入や労働時間となる場合に「複業」と呼んでいます。
本業に対して「副=サブ」である副業に対して、どちらも本業に近いというのが「複業」という位置づけです。発音は同じでも“本業が複数ある”という意味合いが強くなります。
兼業【Second business】
「兼業農家」という言葉を社会の授業で習ったことがあるでしょう。副業・複業と同様に明確な定義はありませんが、一般的に本業のほかにも事業を行うことを指します。
会社勤めをしながら飲食店を経営するなどが「兼業」にあたり、事業として行うという点が副業と区別されるポイントです。
副業のメリット
副業をすることのメリットについて見ていきましょう。副業を何にするか考える上でも大切なことです。
収入アップ
副業のメリットは、まずは何と言っても収入が増えることでしょう。まさに副業をする目的が「収入アップ」という人が1番多いのではないでしょうか。
本業だけでは十分な収入にならない、将来のやりたいことのためにお金を貯めたいなど、総収入が増えることがメリットとなります。
本業の知識やスキルを使える
例えば趣味で作っている陶器を、副業としてネットショップで売りたいとしましょう。本業が企業の広報部であるとしたら、本業で得た広告の方法やスキルを使って、自分の作品をうまく販売するというメリットがあります。
逆に副業で得たスキルを本業へ還元することもできます。
好きなことを仕事にできる
本業があっても、それが本当に好きな仕事、やりたかったことではない場合もあります。また好きなことを仕事にしたくても、生活できるほどの収入は得られないと諦めていた場合なども、副業として始めることが可能です。
副業で好きなことをやって収入を得られれば、生活も充実してQOLが上がり、本業へのモチベーションにも繋がっていきます。
副業のデメリット
副業を始めるなら、メリットばかりでなくデメリットこそよく知っておきましょう。
本業がおろそかになる
本業があれば1日の大半を仕事に費やしている上に、副業でさらに働くとなると、意識していなくとも疲労は溜まります。また休日に副業をしている場合には、休める日がなくて心身ともに負担がかかってしまうでしょう。
そのために本業でミスが出たり、パフォーマンスが落ちたりしてしまうと、会社からの評価が下がってしまいます。
自分の体力をよく考慮して、本業に影響が出ないようバランスを考える必要があります。
確定申告をしなければならない
副業であっても所得が20万円以上あれば、確定申告をして納税をしなければなりません。そのためには収支をきちんと付けておく必要があります。
副業をするなら確定申告を忘れないようにしましょう。
副業なのに損失が出てしまう
会社から認められるケースが多い副業として、株式やFX、不動産投資などがあります。しかし、これらは経済や社会情勢によって変わりやすく、損失が出ることも。
投資系の副業は、時間もあまりかからず、体力も使わずできる副業ではありますが、必ずしも利益が出るわけではなく、リスクも伴うことを覚えておきましょう。
副業を始めるなら、気をつけるべきこと
副業を始めようと思ったら、以下のことに注意してリスクがないか確認してみましょう。
- 本業の会社では副業OKか?
- 本業の会社と副業が競合ではないか?
- 本業の会社に損失を与えないか?
- 本業の会社の信用を落とさないか?
まずは会社の就業規則を確認して、副業が認められているか、認められているならルールがないかチェックしましょう。
会社にとって1番の脅威は、社員の副業による情報漏洩です。特に競合企業に機密事項などが漏れてしまうと、大きな損失となってしまいます。
本業とは競合にならない商品やサービスなどで副業を考えましょう。
また、違法性のある副業を行うことで、自分自身の信用だけでなく本業の会社の信用まで落とすこともあります。本業の会社の名前を使って副業をすることも、迷惑をかけることになりますので注意してください。
まとめ
働き方が多様になってきた昨今、本業以外に副業を持つ人も少なくありません。会社が認めているなら、ルールを守って副業を始めてみてもいいですね!
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