新型コロナウイルスの流行から約3年が経過し、当初の対策もかなり緩和されてきました。
2022年も師走に入り、社内では年に1度の忘年会・新年会を開催する方向で計画が進んでいるのではないでしょうか?
この3年ほど、減少傾向が続いている忘・新年会について、アンケート調査などをもとに分析してみましょう。
さらに、忘年会・新年会の由来や、意義も紹介します。

【2022年〜2023年】忘年会・新年会事情は?

2022年も残すところあとわずかになりました。新型コロナウイルスの感染拡大から3回目となる年末年始ですが、すでに第8波も拡大が懸念され、引き続き予断を許さない状況です。
しかしながら、政府による屋外でのマスク着用の不要や、飲食店への制限なしなど、感染対策も徐々に変化してきています。

年末年始といえば、日本では恒例行事ともいえる忘年会・新年会の季節。飲食店でも書き入れ時ですが、コロナ禍で開催されないことが増えました。
「job総研」の調査によると、忘年会の開催は以下のように推移しています。

  • 2018年 73.5%
  • 2019年 49.5%
  • 2020年 10.8%
  • 2021年 18.7%

※引用元:PR TIMES

最初に新型コロナウイルスの感染者が報告されたのは、2019年12月初旬でしたから、やはりコロナ以降に激減したと言えます。

では、2022年の忘年会開催はどのような傾向でしょうか。同調査によると、「実施する」が31.4%に対し、「実施しない」が68.6%と、忘年会はしない会社が多いようです。
それでも、昨年の実施数よりは増加傾向にあり、少しずつ忘年会・新年会が戻ってきつつあると言えるでしょう。

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忘年会・新年会の意識調査

若い世代で会社の忘年会・新年会離れが進んでいます。コロナ禍によってさらに「忘年会スルー」が加速し、今後も敬遠する傾向が強そうです。
では、職場の忘年会についてどのように思っているのか、2022年の意識調査結果を見ていきましょう。

2022年 忘年会の開催をどう思う?

コロナ禍となって3年が経ちましたが、忘年会など会社の飲み会を実施することを、社員たちはどのように思っているのでしょうか。
前述の同調査で、職場での忘年会開催に賛成か反対かの結果を見てみましょう。

【2022年の職場忘年会に賛成?反対?】

  • 賛成……21.7%
  • やや賛成……36.4%
  • やや反対……20.2%
  • 反対……21.7%

賛成派の合計は58.1%、反対派の合計は41.9%と、賛成派が優勢となりました。
※引用元:PR TIMES

職場忘年会への賛否理由とは?

では、具体的に賛成派の理由、反対派の理由を見てみましょう。

【賛成派】

  • コロナはまだ続いているが、マスク着用も減っているので今年は参加する
  • 職場の全員が職域接種のワクチンを打っているので、感染懸念があまりない
  • コロナでフルリモートになったので対面コミュニケーションできる忘年会は貴重な場
  • すでに2年も実施されていないので、今年は職場のみんなで労いあいたい
  • コロナ禍で忘年会文化も変化したが、「1年の締め」だから

【反対派】

  • コロナ第8波の中、忘年会の実施はリスクが高い
  • 職場忘年会で集団感染したら、年明けから仕事が進まない
  • 今年からフル出社に戻ったので、対面コミュニケーションは十分に取れている
  • コロナ禍で職場忘年会がなくなっていたが、特に必要性を感じない
  • 情勢としてwithコロナなので実施はいいと思うが強制の雰囲気がイヤ

※引用元:PR TIMES

賛成派にも反対派にも、2022年特有の意見が見られますね。リモートが続いている人は忘年会でコミュニケーションを取りたいし、出社に戻った人は特に必要性を感じていないという意見です。

とはいえ、賛否にはまだコロナの影響を受けており、純粋に忘年会の是非を問えているわけではありません。
しかし、次の職場忘年会への参加意欲での調査では、興味深い結果が見られます。

職場忘年会への参加意欲

職場で忘年会が実施されたら参加したいか?という同調査では、コロナ禍という状況に関わらず、純粋に職場忘年会への参加意欲の回答が得られているようです。

【職場忘年会が開催されたら、参加する?しない?】

  • 進んで参加する……34.5%
  • 気は進まないが参加する……28.8%
  • 強制でなければ参加しない……24.9%
  • 気が進まないから参加しない……11.8%

※引用元:PR TIMES

参加する派は63.3%、参加しない派は36.7%と、参加する人の方が多いという結果ではあるのですが、ここで気になるのは参加する人も含めて「気が進まない」という人は65.5%いるということ。

参加する人の中にも、半数近くが「気は進まない」と思っている点は、開催する側も理解しておく必要がありそうですね。

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忘年会・新年会の意義

日本の文化でもある忘年会・新年会の風習は、そもそもどのような意義があるのでしょうか?コロナ禍で「別になくてもよくない?」という風潮になりつつありますが、今一度原点に立ち返ってみましょう。

忘年会は日本独自の風習

忘年会の歴史をひもとくと、江戸時代に「1年間の憂さを晴らす」のを目的として庶民が年末に仲間と酒を酌み交わしたのが始まりとされています。
「曜日」の概念がなく、この頃までは盆と正月くらいしか休みがなかったとも言われているため、「年を忘れる」というのは1年の大きな区切りだったのかもしれませんね。
ちなみに、「年忘れ」という言葉は、室町時代に書かれた「看聞日記」に初めて登場するそうです。

別の説によると、忘年会は明治時代に登場したとも言われています。武家社会や町人社会で行われていた1年の御用納めのあとの小宴会が、単独の行事と化したのではないかというものです。

明治期に役所で「納会」として行われていたものが忘年会の原型であり、「忘年会」という言葉も明治時代に登場した“新語”であるとする説と、江戸時代の随筆にすでに「忘年会」と書かれているとする説もあります。

社内忘年会・新年会の意義は?

そもそも忘年会とは、この1年の社員や仲間を労うために開催されてきました。「忘」の字が入っている通り、苦労や嫌な出来事を忘れて、新しい気持ちで新年を迎えようという気持ちも込められています。

社内忘年会では、仕事と違ったコミュニケーションを取ることで、お互い打ち解け合ったり、部署を越えて仲良くなったりするためにもよい機会です。
いずれにしても、職場で開催する忘年会は社員を労う目的で行われ、会社が社員を楽しませる場であると言えるでしょう。

社外との交流を深める忘年会・新年会

取引先などをまねいての忘年会・新年会もよく行われています。その場合は、接待だったり、会社間や担当者同士のコミュニケーションの場でもあったりします。

社外との忘・新年会では、会社が主催となって招待した社外の人を楽しませることが目的です。接待とまではいかなくても、普段できない交流をすることで「今年もありがとう、来年もよろしく」という気持ちを表します。
ビンゴ大会などを開催して、景品を出すこともよくあります。

まとめ

若い人の「忘年会スルー」が取り沙汰されていますが、若い世代も友人とは忘年会をしているので、忘年会自体が嫌いなわけではないようです。
若い世代が楽しい、参加した方が得だと思えるような忘年会・新年会を開催できると、日本のよき文化も戻ってくるのではないでしょうか。
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