多くの企業では3月が決算期であり、10月からは下半期がスタートします。中途採用を考えている企業では、年間の採用計画を立てているものの、上半期の採用人数は計画より少ない場合には、下半期の採用計画を見直して秋入社での採用活動を強化します。
秋採用が増加傾向にある昨今ですが、秋採用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。また秋採用におすすめの採用活動も紹介します。

秋採用とは?

転職においての秋採用とは、10月からの下半期に向け採用人数を見直し、上半期で不足している人材ニーズが発生していれば下半期からの採用に向けて採用活動をすることです。
9〜10月の入社を目指すため、募集は8〜9月から開始するケースも多く、ボーナスをもらって退職した人の転職を主なターゲットにしたものとなります。
10月入社者が目標人数に達した企業は、10月以降は採用活動をストップするため、秋以降は求人も落ち着く傾向にあります。

新卒の秋採用も増えている

新卒の場合、秋採用とは大学4年生の夏休み明けから12月初旬頃までに実施される採用活動のことを指します。
新卒の採用活動が活発なのは春・夏ですが、近年では秋・冬採用や通年採用をする企業も増加傾向に。

その理由としては、春・夏だけでは応募数の十分な獲得が難しいことと、現在の採用スケジュールの内定から入社までの期間が長いことが挙げられます。
採用スケジュールが早まっていることで、逆に秋採用が増えているともいえるでしょう。

秋採用のメリット

中途採用の採用活動を秋入社にすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

人材を確保しやすい

一般的に転職活動にかける期間は約3カ月といわれます。つまり秋入社を目指すなら転職活動を6〜8月頃に始める必要がありますが、この時期に転職活動をする人は夏のボーナスが支給されてから退職するというパターンが多いです。
退職者の多いタイミングなので人材を確保しやすく、応募が見込めるメリットがあります。

競合他社が少ない

企業の多くはメインの採用活動を春に行うため、秋採用を実施している企業が少なく優秀な人材を取り合うライバルが少なくなります。
競合が少なければ他社と面接が被ることも少なく、選考辞退などのリスクも減少します。競合が少なければ、それだけ優秀な人材を確保しやすくなります。

また春採用の際には大手などに埋もれて応募が少なかった場合でも、競合他社が少なければ十分に応募者を見込めるでしょう。

受け入れ態勢を整えやすい

10月は企業にとって年度の半分ですから、区切りをつけやすいタイミングです。実際に人事異動や組織改変などを秋に行う企業も多く、新しい部署で働くことになる人が多くなります。
中途採用者も一緒に研修を行いやすく、受け入れやすい態勢が整っているといえます。

秋採用の導入がおすすめな企業

秋採用にはさまざまなメリットがありますが、とくに秋採用の導入がおすすめな企業はどのような企業でしょうか。

大手企業の子会社

大手企業の子会社は、親会社と同時期に採用活動を行っても、親会社がライバルとなってしまうことがあります。採用活動にはそれなりの費用がかかるため、親会社とはずらした秋採用に切り替えて、逆に「大手企業のグループ会社」というアピールをした方が認知度が上がる可能性が高くなります。

春夏に自社アピールができなかった企業

春夏採用は求人数も多いため、大手や有名企業に人気が集中してしまいます。また求人数が多ければ他社の求人に埋もれてしまい、自社が十分にアピールできていない可能性もあります。

秋採用では競合他社が減るため、自社の魅力をしっかりとアピールしやすく、自社にマッチしたピンポイントのターゲットへアプローチするチャンスも拡がります。
春夏採用でうまくいかない場合には、秋採用を導入してみるのもひとつの方法です。

外資系やベンチャー企業

海外ではそもそも学校の卒業時期が日本とは異なるため、秋採用を実施している外資系企業が多い傾向にあります。また留学から帰国した人材確保にも、秋採用がベストなタイミングでしょう。

ベンチャー企業は急成長をすることもあり、年度の途中で採用予定人数が増えることもあります。秋採用は大手企業も少ないため、知名度が低くてもアピールしやすくなります。

秋採用におすすめの採用活動

秋採用を導入するには、具体的にどのような採用活動をすれば良いのでしょうか。母集団形成がしにくい秋採用だからこそ、秋採用向きの採用活動を選択しましょう。

ダイレクトリクルーティング

近年、採用活動として取り入れられることの多いダイレクトリクルーティングとは、企業が直接求職者へアプローチする採用手法のことです。
従来の手法では求人サイトなどに掲載したり、人材紹介会社に依頼したりした後は、応募があるまで待つスタイルでした。しかしダイレクトリクルーティングでは、企業が自社にマッチするであろう求職者を、自分で探して直接アプローチすることができます。

ダイレクトリクルーティングを行うには、まず求職者のデータベースを持つプラットフォーム事業者と契約します。自社が求める人材を自ら選り分け、スカウトを送信して採用選考フローを進行していきます。
売り手市場といわれる中では、転職活動をしている人だけでなく、転職潜在層へもアピールでき、「攻め」の採用活動をすることができます。

少人数制の対面イベント

秋採用はピーク時に比べて求人数も減りますが、転職活動中の人数も少なくなります。そのため大人数に向けた採用活動を行っても、非効率で空振りになってしまうこともあります。

少人数制での対面イベントなら、求職者1人ひとりと向き合うことができ、より効率的に自社にマッチする人材と出会えるでしょう。
この手法は中途採用より新卒の秋採用や第二新卒・既卒に向いています。

合同企業セミナー

春採用でもよく行われる合同企業セミナーです。複数の企業がブースを出し、企業説明や面談を行いますが、春開催とは参加している企業の顔ぶれが違います。
求職者が興味を持つブースを訪れることでマッチングを行いますが、春採用では埋もれていた企業も、秋採用では注目される可能性が高くなります。

また近年ではオンラインによる合同企業セミナーの開催もあり、遠方の人や忙しい人に向けたアピールも可能です。たまたま見かけて興味を持つという出会いもあるため、普段出会えない求職者との接点としてもおすすめの手法です。

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まとめ

増加傾向にある秋採用ですが、下半期に向けて人材不足であったり、春採用で十分な人材確保ができていない企業にとっては大きなメリットがあります。
秋採用に向いている手法もあるので、ぜひ活用して良い人材獲得に役立ててください。
はたらくぞドットコムでも、秋採用のサポートをしています。まずはお気軽にご相談ください。