2018年1月に、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を制定しました。その後、企業の副業容認率は55.0%ほどになりましたが、実際に会社員に人気の副業はどのようなものでしょうか。
今回は会社員に人気の副業や、副業のメリット、気をつけるポイントなどを解説します。副業のデメリットも含めて、副業について考えてみましょう。

なぜ副業を促進するのか?副業のメリット

以前は基本的に副業を禁ずる企業が大多数でした。なぜ厚生労働省は副業を推進しているのでしょうか。副業・兼業をすすめる理由を見ていきましょう。副業をするメリットにも通じます。

社内で得られないスキルや知識を得られる

入社後は上司や先輩が社員の育成を担ってきましたが、近年の人手不足により人材の育成に手をかけられない、予算をかけられないという企業が増えています。

副業を解禁することで社内では得られないスキルや経験を積めるので、副業で得たスキルを社内に還元できるメリットがあります。また社外でも通用する人材が育成され、結果的に優秀な人材育成へ繋がります。

優秀な人材発掘と確保

副業によって、社外から優秀な人材が入ってきます。正社員として募集しても集まらない人材が発掘でき、まずは副業であっても仕事をしてもらうことで、将来の人材確保にもなります。

収入が増える

副業をする人の1番の目的は、副業によって収入を増やすことです。金銭的にゆとりが生まれると、買物や趣味に使うこともでき、心のゆとりにも繋がります。
結果的に社会全体の経済が活性化し、デフレ脱却も実現可能となります。

テレワークによる地方の人手不足解消

テレワークで対応できる副業であれば、地方の人が都市部の仕事をすることも、都市部の人が地方の仕事をすることも可能になります。
とくに地方では人手不足が深刻になっており、求人をしても人材が集まらないことが問題となっています。

副業によって地方の人手不足が解消されるだけでなく、スキルやノウハウが中央から地方へ受渡しできるようになります。

企業におけるイノベーションを促進

日本という国全体の経済成長を見たとき、企業における事業の拡大や新規事業の創出は不可欠です。

副業によって社員がさまざまな経験やスキルを身につければ、新しい事業展開にも繋がり、企業でのイノベーションが促進されることが期待されます。
結果的には、日本の経済成長の実現を目的としているのです。

副業で気をつけるポイント

副業のメリットは個人だけでなく企業側にもあることがわかります。しかし副業とはいっても金銭の絡む仕事ですから、注意すべきこともあります。気をつけるポイントを解説します。

本業の就業規則に違反していないか?

副業とは「本業」のほかにする仕事のことなので、本業の労働時間外なら副業をしても法律的に問題はありません。ただし本業である企業の就業規則に違反していないかを確認しておく必要があります。

経団連の調査によると、2022年時点で「自社の社員が社外で副業・兼業することを認めている」企業は53.1%。会社の規模によっても異なりますが、大企業ほど副業を認める傾向にあります。

国が促進しているとはいえ、まだ約半数の企業は副業を容認しているとはいえないため、副業をはじめる前に必ず就業規則を読んで、副業が認められているか確認しましょう。

参照元:日本経済団体連合会 

業務契約を結んでから仕事をする

副業になると疎かになりがちなのが業務契約です。報酬未払いや納品後の音信不通などのトラブルを避けるためにも、仕事を引き受ける前に業務契約を結びましょう。

個人での取引が不安な場合には、業務契約のサポートもしっかりしているクラウドソーシングサイトなどでの副業がおすすめです。

収入が年間20万円を超えたら確定申告をする

副業では所得があるので、年間20万円を超えたら確定申告をして所得税を納める必要があります。本業では会社が所得税の申告をしてくれますが、副業の収入は自分で申告しなければならないことを忘れないようにしましょう。

確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税などが加算されてしまうので注意してください。

本業・副業どちらにも責任を持つ

会社勤めをしながら副業もするのですから、これまでよりスケジュール管理や体調管理は大変になります。本来、副業は本業の空き時間に行うものなので、本業に支障をきたしてしまっては本末転倒です。

副業をがんばりすぎて本業が疎かになってしまわないよう、優先順位を考えた上で無理のない範囲で副業をするようにしましょう。

条件が良すぎる副業には注意

副業が当たり前の世の中になってくると、怪しげな謳い文句の副業案件も増えてきます。「隙間時間にスマホだけで月収10万円」「未経験でも月20万稼げる」など、あまりにも好条件で募集している副業には注意しましょう。
マルチ商法や個人情報の抜き取り、下手をすれば犯罪の可能性さえあります。

とくに専門的なスキルもないのに、副業でいきなり10万円以上稼ぐことは基本的にできません。甘い話には乗らないようにしましょう。

会社員に人気の副業

本業が企業の正社員という方に人気の副業を紹介します。副業といっても業種も業態もさまざまなので、自分にできそうなもの、続けられそうなもの、合いそうなものを考えてみましょう。

事業系の副業

  • 民泊経営
  • コインパーキング経営
  • コインランドリー経営
  • コワーキングスペース経営
  • 賃貸アパート経営 など

これらは所有している不動産があったり、土地やアパートなどを借りたりして行う副業です。いずれも無人でも経営が可能な事業ですが、初期費用が数百万単位でかかります。
民泊など届出が必要な事業もあるため、開始するには法律や自治体の決まりに則って進めましょう。

在宅系の副業

  • アフィリエイト
  • ネットショップ
  • フリマアプリ
  • WEB広告 など

本業の隙間時間や、帰宅後に在宅でできる副業です。基本的にインターネットを駆使した副業になりますが、すでにブロクやSNSでの発信をしているなら、アフィリエイトはすぐに取りかかれます。
フリマアプリは不要なものを出品してアプリを利用して販売するので、気軽にはじめやすいでしょう。

初心者におすすめの副業

  • 配達・デリバリー
  • ネットショップの出品代行
  • 覆面調査(ミステリーホッパー)
  • データ入力
  • 単発のアルバイト など

これらの副業は、とくにスキルがいらないため初心者でもはじめやすい副業です。副業をしたいけれど、何をやればよいかわからないなら、これらの副業から自分に合うものを選んでみてはいかがでしょうか。

スキル系の副業

  • WEBデザイナー
  • プログラマー
  • WEBライター
  • 動画編集
  • セミナー講師 など

WEBデザインやプログラミング、ライティングなど専門スキルがあるなら、これらのスキルを売りにした副業が可能です。クラウドソーシングからも受注できるので、まずは登録して応募してみましょう。
とくにWEBデザインやプログラミングは案件も多く、高い収入が期待できます。

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まとめ

企業が副業を認めることにより、副業をする人にも企業にもメリットがあります。収入だけを目的にするのか、スキルアップや将来の独立を目的にするのかで、どのような副業を選ぶかは変わってきますので、自分に合う副業を考えてみてください。
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