人材を確保するためには、自社の魅力を探して求職者へアピールする必要があります。人事担当者は社内にいるからこそ、自社の魅力に気づきにくいこともあるでしょう。
自社の魅力をアピールするために必要な6つの視点を知り、人材を確保するためにできる工夫を解説します。
また実際の求人や自社アピールで効率的に魅力を伝えるための、メディアの使い方についても紹介します。
企業の魅力をアピールする6つの視点
まずは自社の魅力を整理してみましょう。明確化すると求職者に魅力的と映るかどうかが検討できるようになります。
企業理念・ビジョン
どの企業でも理念やビジョンは掲げていることでしょう。しかしそれが魅力となるのは、社員も企業理念が浸透しており、共感して仕事に取り組んでいる場合です。
自社が行っている事業や商品、サービスと企業理念・ビジョンがマッチしており、会社全体に自然に浸透していることが大切です。
社風・企業風土
自社ならではといえる社風や企業風土があるなら、大いに会社の魅力としてアピールできます。企業で働いている人の気質、企業内の文化、習慣、暗黙のルールなど、さまざまな要素があるため、よく観察して外部から見てどう映るのかも考えてみましょう。
社風は「明るい」「和気あいあい」「穏やか」など、社員が感じる雰囲気のことです。人間関係や仕事のしやすさなどに大きく左右されるので、社風が良いのはアピールポイントとなるでしょう。ただしオリジナリティも必要です。
事業内容・商品・サービス
事業内容や商品、サービスは自社が利益を得ている根幹であるとともに、求職者にとっても大きな魅力となるポイントです。自社の事業内容が、社会にどのような貢献をしているか、どのような価値があるのか、その仕事に従事することにどのような意味があるのかなど、しっかりアピールしていきましょう。
経営者・社員
新卒者が入社を決める最大のポイントは、実際に採用試験でふれ合う機会の多い人事担当者といわれます。面接では経営者に直接会うこともあり、社内見学などで社員と挨拶することもあるでしょう。
求職者にとって、経営トップ陣や直接の上司、一緒に働く社員がどのような人なのか大きな関心事です。
経営者の経歴に特徴があったり、カリスマ性など人物像に特徴があったりすれば、ぜひアピールしましょう。
企業理念やビジョンともマッチしていることが大切です。
労働環境
政府の働き方改革やコロナ禍を経てのテレワークの普及など、ワークライフバランスを大切に考える人が増えています。企業としても社員が働きやすい環境を整え、働き方の選択ができるよう構築することが重要になっています。
休日の多さ、残業の少なさ、在宅勤務、フリーアドレス、フレックスタイム制など、働きやすい環境の整備に取り組んでいるならアピールポイントとして十分といえるでしょう。
制度や待遇
転職するのが当たり前の現代では、優秀な人材に長く働いてもらうことも考えていく必要があります。そのための制度や待遇を充実させることは必須ともいえ、長く働きたいと思ってもらえるアピールポイントとなります。
例えば、研修や教育制度が充実していたり、子育て支援、介護支援、資格取得支援など、さまざまな事情を抱えても働き続けられる環境が整っていれば、居心地の良い職場となるでしょう。
待遇面では給与水準の高さだけでなく、評価制度が公平で昇給が期待できることもアピールポイントとなります。
人材を確保するためにできることは?
企業の魅力をアピールする視点がわかったら、人材確保のためにできることを具体的にあげてみましょう。自社における課題は何かを考えながら見ていくと、改善点が見つかりやすくなります。
採用方法、ターゲットの見直し
現在の採用方法が自社にマッチしているのか、求める人物像に響く内容になっているのか、ターゲットとする人物に届く媒体で求人しているかを見直してみましょう。
採用しても定着しない場合、選考課程やターゲットと求人方法などに問題があることがあります。
またターゲットとする人物像自体を間違っている可能性も。
今一度、採用方法やターゲットを見直して戦略を練る必要があります。
求職者にマッチした条件面を整える
企業側が良い人材を欲しいのは当然ですが、求職者からも選ばれることを忘れてはなりません。優秀な人材ほど他社からも引きが多く、企業を選ぶ立場にあります。
求める人材に対し、魅力的な条件を提示できているかどうか見直してみましょう。他社が提示している条件も比較検討して、経営に支障のない範囲で条件面を整えることが大切です。
魅力的な経営理念を作る
求職者は企業の将来性もよく見ています。結婚や出産、親の介護などライフステージも変化しますが、キャリアを積んでステップアップもしたいもの。それが実現できそうな企業かどうかは大きなポイントです。
そのため企業の経営理念や目指すものが明確にあり、共感できることが重要となります。企業の将来は自分の将来とも必ず重なりますから、経営理念に共感できれば給与以外の部分にも魅力を感じてくれるでしょう。
評価制度の可視化
がんばった分をしっかり評価されないと、人は不満を持ちます。努力や成果が公平に評価され、何らかの形で反映されなければ、やがてやる気が失われたり、転職を考えるようになったりするリスクに繋がります。
逆に成果をきちんと評価され反映されれば、モチベーションアップになり、他の社員にとっても刺激となります。
評価の反映としては給与が最もわかりやすく社員にも喜ばれますが、経営上難しければポイント制などを導入して評価を可視化しましょう。
福利厚生の充実
働きやすい環境を求める傾向にある昨今では、求職者は企業の福利厚生もよく見ています。住宅手当や社内貯蓄制度、スポーツジムなどの施設利用料の割引などが充実していれば、ほかの条件が多少他社より劣っていても企業の魅力となります。
また育児休暇や介護休暇など、ライフステージに関わる福利厚生が充実していることも魅力的です。
就職後は長く働くモチベーションにも繋がりますので、福利厚生で導入できるものがないか検討してみましょう。
各種支援制度の充実
求職者の将来設計において、この企業で働いてスキルアップできるかどうかもポイントとなります。研修や社外セミナーなどの参加費用負担、留学制度、資格取得の費用負担、資格取得者の昇給などを設けると、求職者にとって魅力的に映るでしょう。
効率的なメディアの使い方
自社のアピールポイントが明確化できたら、上手にメディアを使ってアピールしていきましょう。
自社のSNSアカウントを作る
FacebookやInstagram、X(旧Twitter)など、SNSは企業が発信するのにも効果的なツールです。アカウントは無料で作れますので、自社のSNSアカウントを作り魅力をアピールしましょう。
ターゲットを明確にして、戦略的に発信するとより効果的になります。
自社の採用ページを充実させる
就職活動はネットで行う時代だからこそ、自社のホームページを充実させましょう。求職者は求人サイトで良いなと思った企業は、自社ホームページで調べます。ほとんど更新されていないホームページや、採用ページは魅力的に映りません。
自社採用ページは手を抜かずにしっかり作り込んでおきましょう。
メディアを使い分ける
実際に求人をする際、どの求人媒体を使うかで採用の成功・失敗が決まります。例えばアルバイトの募集が多いメディアに正社員の募集をしても応募が少ないのは当然です。
業種や職種、ターゲット、エリア、年齢、性別など、求める人物像を明確にした上でメディアの特性も研究し、マッチしたメディアを選択して使い分けましょう。
まとめ
企業の魅力をアピールするためには、まず他者から見て魅力に映るポイントが何かを正確に把握する必要があります。
そのための工夫や対策を講じ、どんどん魅力をアピールしていきましょう。
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