子どもと深く関わり見守る、保育士や児童指導員の仕事。案外詳しい仕事内容や魅力はご存じないのではないでしょうか。ここでは具体的な仕事内容ややりがい・魅力はどのようなものか紹介します。
また保育士・児童指導員の資格や将来性についても考えていきましょう。
保育士や児童指導員を目指している人や、子どもと関わる仕事がしたい人は参考にしてみてください。

保育士・児童指導員の仕事とは?

子どもの頃保育園や児童福祉施設に通っていたとしても、実際に保育士の仕事や児童指導員の仕事がどのようなものかよく知らないのではないでしょか。詳しい仕事内容を紹介します。

保育士の仕事内容

保育士とは、児童福祉法第18条で「登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」と規定されています。
この法律により2003年に保育士は国家資格となりました。

保育士は主に保育所が職場となり、乳児(0歳)から小学校入学前の保育を必要とする子どもを預かって、保護者に代わって子育てを行います。年齢や発達に合わせた生活や遊び、活動を通して子どもの成長をサポートしていきます。

そのため仕事内容は単なる子どものお世話ではなく、年齢や成長に応じた多岐にわたる内容となります。知識や技術が必要で、仕事を持っている保護者のサポートや連携も必要とされます。

児童指導員の仕事内容

児童指導員は、児童養護施設や児童家庭支援センターなどが主な職場となります。
児童指導員はなんらかの家庭の事情を抱えていたり、発達支援を必要とする18歳以下の児童を対象とするサポートを行います。知的障害や発達障害のある子どもたちとの関わりには、専門的な知識やきめ細やかな対応も必要です。

保育士とは対象となる年齢の幅が広いところが大きな違いで、生活習慣の指導だけでなく学習や社会的スキルを身につけるための指導も行います。
そのほか会議を運営したり、必要に応じて児童相談所や学校などと連絡を取り合ったり、保護者と面接をするなど幅広い仕事があります。また対象年齢が18歳までなので、進路相談に対応することもあり、広く知識を求められます。

保育士・児童指導員のやりがいは?

保育士も児童指導員も成長期の子どもと深く関わる仕事であり、その将来にも大きな影響を与える可能性があります。どのようなやりがいがあるのか紹介します。

子どもの成長を感じられる

いつも子どもの近くで生活や行動を見守っているので、日々の成長を感じることができます。それぞれの個性を見極め、伸ばすためにどのように接していくかを試行錯誤しながらサポートするので、成長が感じられるのは大きな喜びとなるでしょう。
もちろん子育ては平坦な道ではありませんが、子どもたちの笑顔に癒やされる面も大いにあります。

子どもや保護者と信頼関係を築ける

子どもが心を開いてくれたり、保護者が子どものことで相談をしてくれたりするとやりがいを感じられます。それぞれに抱えている悩みや問題に寄り添い、安心して話せる存在となることは、保育士・児童指導員として大きな喜びを感じる部分でしょう。

行事やイベントごとに達成感を味わえる

保育所や児童福祉施設では、季節ごとに行事やイベントを行っています。例えば運動会や生活発表会などの大きな行事では、準備や練習など本番を迎えるまでも大変です。

目標に向かって子どもたちと一緒に努力し、大変なことを乗り越えて成し遂げたときには大きな達成感を味わえることでしょう。イベントごとに子どもたちの成長が感じられるのも楽しみのひとつです。

先輩や同僚との絆を感じられる

職場では日々、先輩や同僚と協力しながら業務を行っていきます。子どもや保護者のサポートをする中で、職場でも良いチームができあがり、お互いに尊重し合えるようになっていきます。
職場での絆は、仕事が楽しく魅力的に思える大きなポイントでしょう。

子育てサポートで社会貢献

少子化が叫ばれる中、子どもを健全に育てることは大きな社会貢献となります。未来を担う子どもたちを、健康な心と丈夫な体を持つ大人へと大切に育み、社会へ送り出すことができる大切な仕事です。
長く仕事をしていけば、関わった子どもの数も増えていき、その将来が楽しみにもなります。

大人になった子どもたちが覚えていてくれる

小学生・中学生になった卒園生たちが会いに来てくれたり、社会人になった子どもたちが挨拶に来てくれたりと、大人になっても関わった子どもたちが覚えていてくれる喜びがあります。

保育士は幼少期に保護者よりも長い時間を一緒に過ごすこともあります。児童指導員は思春期の難しい時期を一緒に乗り越えることもあります。
子どもたちにとってはその頃に関わった先生は、忘れがたい温かい存在なのです。

保育士・児童指導員になるには?

保育士・児童指導員になるにはどうすればよいのでしょか?資格についても解説します。

保育士になるためには

保育士は国家資格なので資格の取得が必須です。
保育士資格を取るには、2つの方法があります。

まずは高校卒業後、厚生労働大臣が指定する「指定保育士養成施設」という大学・短大・専門学校などを卒業する方法。2年制から4年制まで選択でき、卒業すれば保育士資格が得られます。

すでに社会人である場合、年2回実施される保育士試験に合格すれば指定保育士養成施設を卒業していなくても資格を取得できます。
受験資格は「短期大学卒業程度」と設定されていますが、最終学歴が高等学校卒業であっても、児童福祉施設で実務経験2年以上かつ層勤務時間数が2,880時間以上従事していれば、受験資格を得ることができます。

児童指導員になるためには

児童指導員は「任用資格」といい、保育士のような国家資格ではありません。任用資格には学歴や実務経験などの一定条件を満たす必要があります。
児童指導員の任用資格を満たす条件は以下の通りです。

  • 児童指導員の養成校を卒業する
  • 社会福祉士の資格を取得する
  • 精神保健福祉士の資格を取得する
  • 大学や大学院で国指定の科目を専修して卒業する(海外の大学でも可)
  • 教員免許を取得し都道府県知事の認可を受ける
  • 高校または中学卒業後2年以上児童福祉事業に従事する
  • 児童福祉事業に2年以上従事し都道府県知事から認定を受ける

児童指導員は公立の施設が職場となることも多く、任用資格だけではなく公務員であることも必要な場合があります。

保育士・児童指導員の将来性

保育士も児童指導員も一生ものの仕事といえる魅力があります。少子化でニーズが少ないと思われがちですが、共働き世帯が増えており保育所以外の保育施設も増えています。
また以前より発達障害への理解が深まっており、児童福祉施設も充実が図られています。

どちらもAIには代わりのできない仕事であり、育児や介護で休職しても復帰しやすく、将来的に長く活躍できる仕事といえるでしょう。

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まとめ

保育士・児童指導員は未来ある子どもたちに深く関われる魅力的な仕事です。日々体も心も成長していく子どもたちをサポートするのは、大きなやりがいも感じられるでしょう。
資格や条件が必要な仕事ではありますが、一生の仕事として長く続けられます。
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