2020年の新型コロナウイルス大流行によりテレワークが普及し、大きなメリットもあるため定着しつつあります。同時期の就職活動で取り入れられたオンラインによる採用活動も定番化しており、今後もオンライン就活は継続されると考えられます。
テレワーク時代におけるオンライン就活についての心構えや、準備しておきたいことを紹介します。
コロナ後、オンライン就活はどうなった?
就職活動において、コロナ禍で大きく変化したものはオンライン化でしょう。募集や応募はすでにオンライン化されており、エントリーまではオンラインが当たり前でしたが、コロナ禍によって説明会やインターンシップ、適性検査、面接までもオンラインで行われるようになりました。
オンライン化により学生の負担は減り、遠方からも面接を受けられるメリットも大きかったのですが、コロナウイルスが収束した現在、オンライン就活はどのように変化したのでしょうか?
マイナビの調査によると、2024年卒のオンラインを活用した採用状況は、以下のようになっています。
全て対面 | 対面が多め | 対面とWEB | WEBが多め | 全てWEB | |
インターンシップ | 36.7 | 17.7 | 22.5 | 10.0 | 13.1 |
合同企業セミナー | 29.4 | 28.3 | 26.3 | 10.2 | 5.8 |
個別企業セミナー | 16.7 | 18.0 | 27.9 | 15.5 | 21.9 |
一次面接 | 36.5 | 17.2 | 10.1 | 8.6 | 27.6 |
最終面接 | 80.7 | 11.7 | 2.9 | 1.9 | 1.9 |
※単位は(%)
参照元:マイナビ2024年卒企業新卒採用予定調査
現在でも選考のフェーズによって対面とオンラインを使い分けていることがわかります。最終選考は80%の企業が対面で行っていますが、一次面接まではオンラインの活用が目立ちます。
これからの就活はオンラインに対応していく必要がありそうです。
テレワークの現状
就活のオンライン化は定着していますが、テレワークの現状はどうなのでしょうか?
テレワークは政府も推進している
日本政府は、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(令和元年6月閣議決定)においてテレワークの導入の政府目標を提示しています。それによると、テレワーク導入企業を令和2年までに34.5%、雇用型テレワーカーの割合を15.4%にすることを目標としています。
働き方改革ともリンクして、テレワーク導入はこれからも国として進めていくことになりそうです。
雇用型テレワーカーの普及状況
2023年に実施された調査では、2023年9月時点でテレワーク実施率は14.6%となっており、2021〜2023年までほぼ横ばいという結果になっています。
地域別に見ると東京を含む関東地方では実施率21.5%と高く、地方は実施率が低い傾向にあります。
政府の目標には届いていない現状ですが、その理由としては「テレワークの制度はあっても、企業がテレワークを実施していない」のが実態のようです。
参照元:モバイル社会研究所
オンライン就活のメリット・デメリット
テレワークが将来も普及していくことを考えると、オンライン就活も主流になる可能性があります。どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
オンライン就活のメリット
オンライン就活は自宅と企業をオンラインで繋ぐため、企業や説明会会場まで出向く必要がなくなります。その分交通費や宿泊費が削減され、就活をする人にとっては大きなメリットとなります。
また移動時間もなくなるので、時間を有効に使えるようになります。
交通費・宿泊費・移動時間が節約できることで、遠方からも就活がしやすくなり、距離の壁がなくなりました。
オンライン就活のデメリット
カメラ越しでのやり取りは、空気感がわかりにくく熱意が伝わりにくい面があります。基本的に上半身しか映らないため、全体の雰囲気で第一印象をアピールしきれないと感じる人も多いようです。
また企業を直接訪問しないことで社風も感じにくく、入社後のミスマッチに繋がる心配があります。
一次面接まではオンラインでも最終選考は対面という企業も多いため、どちらの選考に対しても準備が必要になります。
オンライン就活の注意点
オンライン就活ではオンラインならではの注意すべきポイントがあります。しっかりリサーチしておきましょう。
ミスマッチの不安
オンライン就活のデメリットでも述べたように、オンラインでは見えない部分が多く求職者の総合評価が難しくなっています。雰囲気や意欲、身だしなみや身振り手振り、声の大きさなどが伝わりにくいからです。
企業側からの判断が難しいように、求職者側からも会社の雰囲気や社内の設備、規模感などが掴めません。
対面面接と比較すると、お互いに情報が少ないために入社後のミスマッチが懸念されます。
企業選択の難しさ
会社説明会はコロナ禍後もオンライン化している企業が多く、求職者としては多くの会社説明会に参加できるメリットがあるように見えます。
しかしながら多くの説明会を受けられるために選択肢が増え、選べなくなってしまうのも事実です。オンラインで説明会に参加することで重みも希薄になりがちで、説明会だけで満足しその後のフェーズに進まない弊害もあります。
企業研究が十分にできない
就活では関心のある企業について情報を集め、あらゆる角度からその企業の特質を研究します。オンライン就活では実際に足を運ぶ機会がないため、収集できる情報が少なくなってしまいます。
そのため企業研究がうまくいかず、志望理由や自己アピールで何を主軸にすれば良いのか定まらないことがあります。
企業の求める人物像が掴みにくく、アピールポイントが見つけにくくなるでしょう。
オンライン就活に向けて準備しておきたいこと
オンライン就活のデメリットや注意点を踏まえ、準備しておきたいことをまとめました。
オンラインをする周辺環境
どこにいても面接を受けられるのがメリットのオンライン就活。しかしカメラに映っている情報だけがすべてになるため、自分だけでなくバックに映る背景や音にも気をつけなければなりません。
マイクは案外広範囲の音を拾ってしまうため、カフェなど周囲が騒がしい場所はふさわしくありません。
また背景に他人が写り込んだり、自宅のインテリアなどが入るのも好ましくありません。散らかった部屋やベッドなどが映らないように配慮しましょう。
対面と違いカメラに映ったことが自分の印象になるので、どのように映っているか客観的に見て周囲の環境を整えてください。
PC・スマホ、カメラ、Wi-Fiなどの周辺機器
オンライン就活は便利ですが、その分オンライン環境をしっかり整えておく必要があります。PCやスマホ、カメラ、マイク、Wi-Fiなどのハード面は、面接中に通信が途切れ途切れだったり、マイクが入らなかったりすると、準備不足ととられかねません。
機械的な不具合が原因で不採用になることはないかもしれませんが、印象が悪くなることは間違いありません。
良好な環境でオンライン面接ができるよう、何度もシミュレーションをして周辺機器も整えておきましょう。
オンライン特有の準備
対面の面接とは異なり、オンラインではカメラに映らないようにメモなどを準備しておくことができます。自己アピールや志望動機の準備はもちろんのこと、カメラの目線はどうするか、角度はどうか、マイクの音量はどうかなど、オンラインならではの準備が必要になります。
まとめ
テレワークが増加傾向にあり、オンラインによる就活も定着してきました。大きなメリットもあるオンライン就活ですが、デメリットや注意点もありますので、しっかり準備してオンライン就活にのぞみましょう。
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