「春採用」とは、名前の通り春の入社に向けて採用をすることです。求職者にとっては就活であり、企業にとっては採用活動となります。
春採用の特徴やメリットを知れば、採用を成功させる方法も見えてきます。
この記事では春採用に向けて企業が効率的に採用活動を行うために、春採用のメリットや効率的なスケジュール、成功のコツなどを紹介します。参考にして春採用を成功に導いてください。
春採用とは?
基本的には3〜5月に入社する採用活動のことを「春採用」と呼んでいます。ただし新卒と転職では少し内容が異なるため、それぞれ詳しく説明します。
新卒の春採用
企業が来年度の4月入社を予定して行うのが、新卒に対する春採用です。一般的には3〜5月頃に募集をして採用活動を行います。この場合は内定から実際の入社までかなり間が空くことになります。
また通常のスケジュールで4月入社予定の新卒採用をしたけれど、期待したように応募者が集まらなかった、内定辞退者が出たなどの理由で夏から秋にかけて追加募集をかけることがあります。
この場合には4〜5月に内定者を数名出すのが一般的で、企業としては採用活動をほぼ1年を通して行うことになります。対象は3月卒業予定の大学生となります。
転職の春採用
春は転職市場が活発になる時期です。とくに春採用と呼ぶものは3〜4月の入社を目指すもので、企業側にとってもさまざまなメリットがあります。冬期ボーナスをもらってから退職する人が多いため、採用活動は1月頃から始めるのが効率的です。
春採用のメリット
春採用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。効率的な採用活動のためにも利点を理解しておくことが大切です。
人員の不足を補える
4月入社の採用人数が足りない場合、春採用を行うことで人員の不足を補えます。この時点で採用すれば、すでに決定している4月入社の社員と一緒に研修などを行うことができ、効率も良くなります。
この時期はどの部署にどのような人が不足するかも把握しやすいため、求める人物像も想定しやすくなります。
年度頭で区切りがつけやすい
多くの企業が3月決算となっていることから、4月は新しい期がスタートする時期となります。そのため新年度に向けて社内の人事異動や新規事業の立ち上げなどが行われ、社内での人の流動が多くなります。
春は新しいメンバーで仕事を開始する機会も多いため、新入社員が入ってくるタイミングとしてベストであり、年度頭で区切りがつけやすい点もメリットです。
受け入れ体制を整えやすい
中小企業で毎年新卒を採用する会社は多くはありません。しかし多くの中小企業で年度末の決算が落ち着いているため、春に入社してきた新人の受け入れ体制が整いやすくなっている時期でもあります。
先輩社員の方でも新年度は新しいプロジェクトが始まることも多く、フレッシュな気持ちで新入社員の教育にも協力してくれるでしょう。
良い人材が多い
転職の場合、12月のボーナス時期で退職者が多く出ます。彼らが転職活動を始めるのは春採用を狙っていることが多く、この時期には良い人材が多い可能性が高いのです。
ただし求人も多く出る時期なので良い人材を採用できる競争率は高くなります。春採用を目指すなら、早くからしっかり準備をして効率良く効果の高い採用活動を行いましょう。
春採用に向けてのスケジュール
採用活動において春採用は、対象者が新卒と転職でかなり違うことがわかります。それぞれの春採用に向けたスケジュールを紹介します。
新卒の場合は春と秋がメイン
新卒を採用したい場合には、春採用と秋採用の大きく2つの時期に分かれます。3〜5月に採用活動を行う春採用は、大手企業などが多く募集人数も多い傾向にあります。
もうひとつの採用活動ピークが9〜11月頃の秋採用で、春・夏採用で不足した分を補充したり、さらに優秀な人材を見つけたりするために行われます。秋採用は募集人数が少ない傾向にあるため、春・夏の採用活動とは違う視点で戦略的に行う必要があるでしょう。
転職の場合は1〜3月の採用活動
中途採用で春採用を行う場合には、1月頃から採用活動を始めることになります。12月いっぱいで退職する人が増えるので、この時期は多くの企業が人員の補充を行うため求人も増えます。良い人材がいる一方で、ライバルも多くなることを踏まえ、戦略的に自社をアピールしていく必要があります。
春採用を成功させるコツ
春採用を成功させるためには、自社の抱える課題を掘り起こして解決することが大切です。コツを紹介するので、採用活動の前に課題となることがないか見直してみましょう。
採用活動の目的をはっきりと打ち出す
採用活動をする理由が「人材が不足しているから」だけになっていませんか?ただ人手不足というだけでは、何が課題なのかが洗い出せていません。人材が足りないのは、何が問題なのかをしっかり考えていくことで、社内の課題が明確になります。
社内の課題が明確になれば、どの部署にどのような人材が必要なのかがわかってきます。
自社に必要な人物像を決める
自社が抱える課題がわかれば、求める人物像がイメージできてきます。
例えば「営業5名が取ってきた案件が、実務でサポートする1人に集中していて残業が増えている」ことが課題であれば、採用したいのは「即戦力で実務を行える人」となります。
さらに、スペック(業務やポジション)・マインドセット(価値観や物事の見方)・パーソナリティ(人格や個性)の3点から人物像を明確にしておきましょう。人物像が明確なほど、面接官も共有しやすく採用活動においてブレがなくなります。
企業の魅力・強みをアピールする
採用活動では企業が人材を選ぶ立場でもありますが、求職者から選ばれているという感覚も忘れてはいけません。応募者が少ない、内定辞退者が多いという課題があるのであれば、企業の魅力が伝わっていない可能性もあります。
今一度、外部の人から見たら自社はどのように見えるか?という視点に立ち返り、自社の魅力や強みを洗い出してみましょう。そしてその魅力を効果的にアピールする方法も考えていきます。
商品や事業内容、社員、待遇や環境、競合優位性や将来性など、しっかりアピールしていきましょう。
会社全体で採用活動に取り組む
兼任で採用を担当している企業が多い中、採用活動を担当者に任せきりにすると求職者の心をつかむことができないことがあります。
例えば総務部の人が採用担当者であったとして、営業の人材を採用したいとします。担当者は自分の行っている仕事内容や、会社全体のことは把握していても、営業の現場の話はできません。
すると情報が薄くなってしまい、求職者が欲しい情報を渡せずに、せっかくの応募をとりこぼすことになってしまいます。
採用担当者だけでなく、できるだけ多くの社員が採用活動に取り組めば、求職者に情報を提供でき、魅力もアピールできるでしょう。
まとめ
春採用は求人市場も活発になる時期です。良い人材も多い時期ですがその分求人も増えるので、しっかりとした採用活動戦略を立てましょう。
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