ホテルは「hospitality=手厚いもてなし」という英語が語源といわれ、宿泊業でありサービス業でもあります。
宿泊だけでなく食事や宴会、結婚式など、さまざまなことに利用されるホテルには、さまざまな職種があるので紹介します。漠然とホテルで働きたいというより、ホテルのどの部門で働きたいかまで考えておくと、求人への応募がスムーズになります。

ホテルの種類

一口にホテルと言っても、利用目的によって分類されています。国内の代表的な3つの種類について紹介します。

シティホテル

市街地に位置し、幅広い層にさまざまな目的で利用される大型ホテルです。レストランや宴会場があり、エステや美容室、写真館などが併設されているホテルも多いため、宿泊以外で訪れる人も多いのが特徴。

宿泊する層も幅広いため、客室は単身からファミリーまで複数の客室タイプがあります。団体客に利用されることも多いです。

ビジネスホテル

名前の通り、ビジネスマンが出張などで利用されることを目的にしたホテルです。そのため交通アクセスの良い場所にあることが多く、1人での宿泊客がほとんど。客室はシングルルームが多くの割合を占め、客室面積も狭い場合が多いです。

レストランや宴会場などの設備はありませんが、通信環境や朝食などビジネスマンの利用を想定したサービスが提供されています。

リゾートホテル

観光地やその周辺に所在し、休暇滞在を目的としたホテルです。景観にこだわった客室や豪華な設備など、非日常を味わえるようなホテルになっているのも特徴。

客室はゆったりと作られていることが多く、一泊あたりの宿泊料金も高めに設定されています。きめ細かなサービスと高級感・特別感のある接客が求められます。

ホテルの職種を部門別に紹介

ホテルの業務は多岐にわたり、大きく5部門に分かれます。部門ごとに代表的な職種を紹介していきます。

宿泊部門

宿泊部門はホテルの根幹である宿泊予約の受付や、ゲストの接遇を担当する部門です。以下のような職種があります。

フロント

名前の通りレセプション(フロント)でゲストのチェックインからチェックアウトまで、さまざまな手続きを担当します。ホテルの顔ともいえる職種といえます。

ベルアテンダント

ゲストの荷物をフロントや客室まで案内する仕事です。ホテル中を行き来し、他のスタッフとの関わりも多い職種といえます。エントランス付近やロビー全体を見渡し、気配りをします。

コンシェルジュ

ゲストのあらゆるリクエストに、可能な限り応えることが仕事です。レストランの予約や観光情報の提供、ときには観劇のチケット手配や飛行機の予約など、ゲストの要望は多岐にわたります。ホテル内の各部署やホテル街の施設などとの連携も大切で、コミュニケーション力や臨機応変な対応力が求められます。

ハウスキーパー

客室の清掃・管理を担当します。使用後の客室内の清掃、ベッドメイキング、アミューズメントの補充のほかに、ランドリーサービス、備品の貸し出しなどへの対応も行います。客室はホテルの品質に関わるため重要な役割です。

料飲部門

ホテル内のレストランやルームサービスを担当する部門です。

ホールスタッフ

レストランのホールでお客さまから注文を受けたり、料理や飲物を提供したりします。料理の内容や特徴、食材の説明なども行うため、料理についての知識は必要です。特別な時間を提供するため、ホテルの高級感にマッチした質の高いサービスが求められます。

ルームサービス

ルームサービスはレストランのある比較的大きなホテルのサービスです。客室で料理や飲物を楽しみたいお客さまのために、注文を客室に運びます。ときには結婚記念日や誕生日など、記念日のサプライズ演出を依頼されることもあります。

バーテンダー

ホテル内のバーでアルコールなどのドリンクを提供します。高級ホテルのバーはお客さまも高品質の接客を求めているため、幅広い話題に対応するコミュニケーション力や知識が必要です。

ソムリエ

ワインのスペシャリストとして、ワインを良い状態で提供するための品質管理や在庫管理を行います。レストランでは料理に合ったワインの提案なども求められるため、提供している料理や食材の知識も必要です。高級レストランにふさわしい立ち居振る舞いや接客スキルも身につけなければなりません。

調理部門

ホテル内で提供する料理や飲料すべてを担当します。料飲部門の経営まで携わることもあります。

シェフ

ホテル内のレストラン、調理場のすべてを仕切るのがシェフ(料理長)です。現場での調理はもちろん、各料理人へ指示を出し、味や盛り付け、料理が出るタイミングなど全体の指揮をします。

ほかに、以下のような職種があります。

  • ブッチャー
  • ベーカリー
  • パティシエ

宴会部門

各種宴会や会議、イベント、婚礼などに対応します。宴会予約係りが利用の受付から内容の打合せ、指示書の作成などを行います。

宴会スタッフ

さまざまな宴会で料理や飲料を提供したり、運営をサポートをしたりする職種です。同日に複数の宴会が入ることもあり、的確で円滑な進行ができるよう対応します。

ブライダルコーディネーター

結婚式、披露宴をコーディネートします。お客さまの打合せをしながら、要望に合わせてさまざまな手配を行います。ホテル内の他部門や他企業との連携も必要です。特別な日の演出を任される、責任ある立場でもあります。

販売促進部門

客室、宴会場、レストランをホテルの商品としてアピールし、集客のための活動をします。

セールス

企業や団体、個人に向けて営業を行います。旅行代理店や公共団体、企業などを対象とした、宴会利用や宿泊客獲得などが主な仕事です。

企画広報

ホテル全館のイベントやフェアなど、ホテルで開催するイベントを企画しPRします。ホテルのイメージをブランディングし、各媒体での広告やSNSでの発信などをして戦略的な認知活動を行います。

管理部門

ホテルの最高責任者は総支配人、各部門を統括するのは支配人と呼ばれます。ホテルの経営、設備、人材に責任を持って管理をします。
ほかに、経理や人事、施設管理といった職種も管理部門になります。

ホテル業界のメリット

ホテルはさまざまな人が訪れる場所。外国人も多く訪れるため、世界中のゲストの接客ができます。語学力を活かしたい人には、大いに活用できる職場でしょう。

また一般の人がホテルを利用するのは「特別」な出来事なので、ゲストの一生の思い出や大切な瞬間に関わることができます。ホスピタリティを持ってゲストをおもてなしすることは、サービス業として大きなやりがいと喜びに繋がるでしょう。

ホテル業界のデメリット

ホテルの性質上24時間365日体制で稼働しています。ほとんどの職種がシフト制で夜勤があるため、生活が不規則になる場合もあります。

また部門によっては立ちっぱなしだったり、ホテル内を歩き回ったりするため、体力も必要です。
時にはゲストからの理不尽なクレームを対応するケースもあります。

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まとめ

ホテルの種類や規模によって、職種もそれぞれに異なってきます。まずはどのようなホテルで働きたいのか、そのうちのどの部門でどの職種に興味があるのか見つけておくと、求人が探しやすくなります。
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