飲食業で注目度が高くなってきているのが、セントラルキッチンです。セントラルキッチンとは何か、またそこでの仕事はどのようなものかを紹介します。
調理に関わる仕事がしたい、飲食業界で働きたいという人は、参考にしてみてください。
またセントラルキッチンで働くことに向いている人・向いていない人も解説します。
セントラルキッチンとは?
セントラルキッチンとは、製造拠点を集約して1ヶ所の拠点で調理をし、店舗での調理工程をできるだけ削減するためのものです。セントラルキッチンで調理したものを、真空パックや冷凍などして保存し、各店舗へ配送します。
店舗での調理にかかる工程やコストを削減するための取り組みとして注目されており、衛生管理もしやすくなるメリットがあります。大手飲食業やチェーン店、百貨店やスーパーの惣菜、病院、介護施設などで多く導入されており、どこに提供するかでも扱う食品が異なります。
ただし保存や配送の手間がかかるため、セントラルキッチンに向かない食品もあります。
セントラルキッチンの仕事内容
セントラルキッチンでは、どのような仕事があるのでしょうか。どのような食品を作るかで違いはありますが、主な仕事を紹介します。
- 生産事務……食材の発注、在庫管理、生産スケジュール作成などの管理をすることで、生産効率を向上させる
- 入出庫……食材の搬入・検収を行い、食材の品質を見極めて安全な食材か判断してから受け入れる
- 下処理……作るものにより、色や大きさ、柔らかさなどに配慮しながら食材の仕込みを行う。食材の皮むきやカットなど
- 加熱・冷却……おいしい・安全な食品を作るため、温度管理を徹底し、適切な時間で調理をする
- 盛り付け・包装……できたてのおいしさを届けられるよう、盛り付けや包装を行う
- 仕分け……各店舗へ確実に届けられるようチェックを行う
セントラルキッチンのキャリアプラン
セントラルキッチンは、調理の工程を体系的に分けてそれぞれのセクションで専門的に仕事をするのが特徴的です。キャリアプランとしては、以下のようなものがあります。
- セクションリーダー……「下処理」「加熱・冷却」など、各セクションのリーダー
- 製造課責任者……セントラルキッチンでつくった食品の責任者
- 生産技術課責任者……製品の生産工程を効率化し、生産体制を構築・改善する責任者
- 生産管理課責任者……製品の企画から完成までの全工程において管理する責任者
- センター長……セントラルキッチン全体の運営管理・監督を行い、収益の向上、スタッフのパフォーマンスを発揮できる環境を整えるなどのマネジメントを行う
調理未経験でもセントラルキッチンで働ける?
結論からいえば、包丁さえ握ったことがなくても大丈夫です。
セントラルキッチンの調理スタッフ募集では、実際にまったく調理をしたことがない未経験者の募集も出ています。
調理は分担して行うため、まずはできるところから担当し、日々のローテーションの中でさまざまな技術を習得できます。
飲食業界で働きたい、料理に興味があるという人は、ぜひチャレンジしてみてください。
セントラルキッチンのやりがいは?
セントラルキッチンでは、多くの食品を作っています。1店舗の調理業務では経験できない、セントラルキッチンならではの経験が得られます。
直接お客さまの顔を見ることはできませんが、より多くの人が自分の携わった食品を食べてくれるという喜びを味わえるでしょう。
また扱う量が多いため、仕事をしていく中で調理スキルが上がっていくことも実感できます。スキルが上がれば仕事はより楽しくなり、将来のキャリアプランも見えてくるようになります。
セントラルキッチンスタッフに向いている人・向いていない人
セントラルキッチンで働くことに、向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。働く前に、自分に向いているかどうかしっかり考えてみることも大切です。
セントラルキッチンスタッフに向いている人
料理や食べることが好き
料理することや食べることに興味がある人は、セントラルキッチンでの仕事にも興味を持つことができます。好きなことに関わった仕事ができることは、やりがいを持って働くことにも繋がります。
セントラルキッチンにもさまざまなジャンルや種類がありますので、どのような用途の食品を作っているのかを確認するのも、やりがいを持って働けるきっかけとなります。
働きながら調理の腕が上がるのも、喜びを感じられるポイントです。
体力に自信がある
調理は基本的に立ち仕事です。大量の食材を仕込んだり、加熱したりするため、力仕事も多くなります。特に夏場は火を使うために過酷な環境となることも予想され、体力の消耗が激しくなります。
体力に自信がある人に向いているといえるでしょう。
チームワークを大切にできる
セントラルキッチンでは、調理を各セクションに分けて担当の仕事をします。黙々と食材と向き合って作業をするイメージがありますが、調理の流れの一部なので、ほかのスタッフやほかのセクションとの連携が大切です。
自分だけの仕事をこなすというより、チームワークや作業の流れを意識して仕事ができる人は、キッチンで働くことに向いています。
単調な作業が好き
セントラルキッチンでは大量の食材を扱います。セクションによっては、ひたすら食材をカットする、ひたすらじゃがいもの皮をむくなどといった単純作業もあります。
これらの作業を苦痛に感じない人には向いているといえます。さらには、いかに早く、いかに効率的に作業ができるかを考えることが好きという人は、力を存分に発揮できるでしょう。
接客は苦手だけど飲食に関わりたい
調理が好きで、キッチンで働きたいけれど、飲食店は接客があるから苦手という人もいるでしょう。そのような人には、接客のないセントラルキッチンが向いています。
飲食店だと、キッチンスタッフで入ったとしてもまったくお客さまと顔を合わせないことは難しいものです。
しかしセントラルキッチンであれば、店舗とは別の場所で調理をするので、直にお客さまと接することがありません。
セントラルキッチンスタッフに向いていない人
食に興味がない
キッチンの仕事に限ったことではありませんが、興味のないことを仕事にすると、向上心ややる気がわきにくくなります。食べることに興味がない人は、仕事に楽しさを感じにくく、特に直接お客さまの顔が見えないセントラルキッチンでは、喜びを見出しにくくなるでしょう。
接客がしたい
セントラルキッチンは、調理に特化しているため店舗とは別の場所にあります。自分の作った料理を食べているお客さまの顔が見たい、接客をしたいという人は、お客さまと直に接することのないセントラルキッチンは向いていないかもしれません。
体力に自信がない
調理の仕事は体力勝負の部分もあるため、体力的に不安がある人は難しいかもしれません。働けるか自信がない場合には、短時間のシフトから始めるなどして徐々に慣れ、セントラルキッチンで働ける体力を養うこともできるでしょう。
まとめ
セントラルキッチンは飲食業のひとつの形態として、大手飲食業や百貨店、スーパー、病院、介護施設などに導入されています。
基本的に接客がなく、調理の現場に特化して働けるというメリットもあり、まったくの未経験からでも始められます。
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