戸建て住宅やマンション、オフィスビルの販売や仲介を手がける不動産営業。不動産の種類は幅広く、知識やスキルが必要とされますが、具体的にはどのような職業なのでしょうか。
不動産営業の仕事内容や、向いている人の特徴を紹介します。また将来はどのようなキャリアプランがあるかも解説していきます。

不動産営業の種類と仕事内容

不動産営業には主に4つの種類があります。それぞれの種類ごとに仕事内容も異なるため、ひとつずつ説明します。

①賃貸仲介営業

賃貸仲介営業とは、賃貸物件を所有するオーナーと借主を仲介する仕事です。一般の人向けの戸建てやマンション、アパートだけでなく、店舗や事務所、駐車場、倉庫など事業者向けの賃貸物件も取り扱います。
賃貸物件を借主に紹介し、契約を締結すると報酬として仲介手数料を受け取ります。

賃貸仲介営業の仕事内容

賃貸の仲介の場合、比較的短期間で契約の締結まで進むことが特徴です。ただし同じ賃貸物件を複数の不動産会社で取り扱うこともあるため、競争力が求められます。

  • 賃貸物件情報の登録・掲載
  • 空き物件の広告出稿
  • WEBサイトや電話による問合せ対応
  • 店舗での来客対応
  • 内見案内
  • 契約書の作成や重要事項説明
  • 契約締結と鍵渡し など

②売買仲介営業

戸建てやマンション、土地、ビル、倉庫など、不動産を売りたい人と買いたい人の間に入って仲介を行う仕事です。
売主から依頼を受ける「売り仲介」と、買主から依頼を受ける「買い仲介」の2種類がありますが、取引金額が高いために契約までの期間は長くなる傾向にあります。

売買仲介営業の仕事内容

不動産の権利移転やローン手続など、法律や金融に関する専門的な知識が求められます。

  • 売主・買主の集客
  • 売り物件の査定
  • 売り物件の登録・購入希望者への広告出稿
  • 買主または売主との売買交渉
  • 買主に対する物件選定
  • 買主に対する内見案内
  • ローンの紹介・手続
  • 契約書の作成
  • 重要事項説明
  • 契約締結・引渡し など

③住宅販売営業

ハウスメーカーなどで自社が建築した住宅や所有している土地・建物などを顧客に販売する仕事です。
売主・買主の仲介を行う不動産営業とは異なり、自社が直接住宅商品を販売するのが特徴。販売対象となる不動産の所有者は自社であり、基本的に他社の商品を販売することはありません。

住宅販売営業の仕事内容

ハウスメーカーやリフォーム会社による新築注文住宅、建売住宅の販売が中心となるため、自社商品への知識が必要です。自社ブランドや企業の知名度が集客を左右するため、競合他社との差別化を図る営業活動が求められます。

  • 販売物件の広告出稿、チラシ配布
  • オープンハウスや相談会の実施
  • 顧客との商談
  • 住宅ローンの手続
  • 契約締結
  • 施工の報告・引渡し
  • アフターケア

④投資用不動産営業

投資用物件を探している投資家向け、または資産運用を検討している顧客向けに不動産を販売します。ほかの3つの不動産営業と比較して、投資ローンや利回り、投資分析など、金銭面や税制度などの豊富な知識が求められます。

投資用不動産営業の仕事内容

投資用不動産は取引金額が数千万〜数億円となる場合もあり、会社はもちろん営業担当者の信頼や実績が重視されます。

  • 投資家や企業への営業(電話営業・訪問営業)
  • 問合せに対する反響営業
  • 買主との商談
  • 収益プラン・運用管理方法の提示
  • 投資ローンの提案
  • 契約の締結、所有権移転の手続

不動産営業に向いている人の特徴は?

不動産営業は、ほかの業界に比べると高額の取引を行います。どのような人が不動産営業に向いているのかみていきましょう。

人と接することが好き

不動産営業では、どの種類の営業をするにしても人と向き合い話しをする必要があります。しかも大きな金額に関わる商談ですから、信頼を得ることが何よりも重要です。

買主・売主どちらの立場からも物事を見ることができ、円滑なコミュニケーションを取ることができる人は、不動産営業に向いているといえるでしょう。

情報収集が好き

売りたい顧客にも買いたい顧客にも、適切な提案をするには不動産に関する情報収集が欠かせません。

不動産の市場、消費者の動向、トレンドなどに敏感で、常にアンテナを張って最新情報を入手できる人は、不動産営業で力を発揮できるでしょう。
お客さまに多角的な提案もでき、質問や課題解決も的確に行えるため、信頼度も高まります。

目標に向かって努力できる

不動産業界に限りませんが、営業職には常に売上目標があります。その目標に向かって日々努力し、達成することに喜びを感じられる人は、不動産営業に向いています。

取り扱う商品が高額な不動産では、簡単に契約が成立するものではありませんが、ねばり強く取り組める力が求められます。

知識やスキルへの向上心がある

不動産営業は、学歴や資格の有無に関係なく、未経験からでも挑戦できる仕事です。ただし不動産や金融関連、法律関連の知識やスキルはいずれ必要になってきます。

経験を積みながら、宅地建物取引士の資格取得に挑戦したり、民法税法を学んだりする向上心がある人は、より質の高い提案ができ将来のキャリアアップにも繋がります。

不動産営業のキャリアプラン

不動産営業は未経験からでも転職できますが、経験を積むとどのようなキャリアプランがあるのでしょうか。

より年収の高い会社に転職

不動産営業は高額商品を扱っているため、優秀な営業スタッフはかなりの売上を上げることができます。不動産業界では成果を重んじる傾向があるため、給与体制も「基本給+歩合給」や「完全歩合制」といったインセンティブを採用している企業も多いです。
営業成績が良い人は、より高収入が期待できる会社への転職が考えられます。

経営に関わるポジションに就く

営業成績で常にトップクラスにいれば、その実績と知識、スキルを活かして社内で上のポジションを目指すキャリアプランもあります。

経営に関わるポジションに就くには、社内での競争に勝ち抜き、営業力だけでなくマネジメントスキルや人材育成力も求められます。

不動産コンサルタントとして独立

不動産営業で培った知識とスキルを活かして、個人や法人の資産運用に深く関わる不動産コンサルタントとして独立するキャリアプランもあります。

不動産コンサルタントとは、不動産購入や売却、管理方法、活用方法などをプロの立場でアドバイスする専門家です。難関資格であり、試験合格後5年以上の実務経験が必要ですが、独立して活躍できるためキャリアプランとして目指すのは意義があるでしょう。

【全国版】求人を探す
<都道府県を選ぶ>

まとめ

不動産営業には主に4つの種類があり、それぞれに仕事内容が異なります。学歴や資格を問わず、未経験から挑戦でき将来性もある魅力的な仕事で、常に転職市場でのニーズも高い状況です。
キャリアプランも立てやすいため、興味があればチャレンジしてみましょう。
はたらくぞドットコムでは不動産営業の求人も多数掲載しています。まずは無料登録して検索してみましょう。